古本マニア採集帖
古本マニア採集帖 / 感想・レビュー
さらば火野正平・寺
これはいい本だった。古本関係の本は大概に古本屋さんを中心にしたものが多いのだが、本書は題名通り、古本マニアの人達に取材したユーザー列伝。登場する何人かは私もTwitterでフォローしている方々で、よく買った本の写真を載せていて楽しみにしている。私も田舎暮らしでなければ、古本屋を毎日覗きたいものだ。私は読んだ本は割とすぐ処分したがる方だったが、この本を読んでいて少し考えが変わった。本で床が抜けた人が何人も登場なさるが(笑)、そこまでいかなくとも、できるだけたくさんの本と仲良く暮らしたい気分になった。お薦め。
2022/01/14
tamami
著者の南陀楼さんは、怪しげな名前は知ってはいたのですが、手にとって読むのは初めてでした。「本好き」を自称している自分ですが、世の中には上には上があって、本、それも古本をこれほどまでに情熱を傾けて集めたり、収集物を元にして研究、出版するまで行く人が、かくも大勢いるというのが驚きでした。全国に散らばる、そんな方々の「本人生」に目ざめるまでの生育事情や、古本収集に関わる多くのエピソードが、著者自身の対面採集によって実名入りで詳しく紹介されています。古本通りという、裏通りの歩き方の楽しさを、改めて教えられました。
2021/12/15
阿部義彦
図書館本。2021年。皓星社刊。古本ライターの南陀楼綾繁さんによる、古本に何らかの形で関わるようになった人々のおおよその履歴と何故そうなったかの聞き書きです。敢えて取り憑かれた様な濃すぎる人は外して、本人も意識してないのにいつの間にか古本屋界隈にたどり着いた感じのカジュアルな感覚のある人を中心に選んでるのでそんなに構えずにサラリと読む事が出来ました。『遊ぶ』『コレクション』『調べる』『仕事』の4つのセクションに分けての楽しい話題で本好きには楽しめる内容でした。皆さん本はネット出なくて本屋で買いたい方ばかり
2023/08/07
スターライト
著者が「生活のなかに古本と古本屋(あるいは本と本屋)がどういう位置を占めているか」を、名前でしか知らなかった人、身近だがあらたまってその話を聞いたことがなかった人にインタビューして、それをまとめた本。本と本屋の付き合い方を「遊ぶ」「集める」「調べる」「仕事にする」などの角度から、興味深い人物像が浮かび上がる仕組み。幼少の頃から本に親しみ病膏肓に入った人や、一度離れたものの戻ってきた人など様々。大家から本を処分しろと言われたエピソードには、思わず苦笑。人は本好きに生まれることを実感した。
2022/01/31
ぽんぽこ
一箱古本市を始めた著者が古本大好き人間を直撃インタビューしたものをまとめたもの。「しんぺんこまし」の雑誌は私も読んだことがあるのでぐっと親近感がわきました。噴水の歴史をただただ追っかける人やら息子に古本の英才教育を叩き込む親(そして素直に妖怪大好き少年になる子供)、テーマに準じた絵葉書をひたすら集める人など、この世には多種多様な古本マニアがいるものだと驚きました。もう一回、今度はじっくり再読したいです。
2022/04/27
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