自虐蒲団
自虐蒲団 / 感想・レビュー
巨峰
詩人でもある小池さんが俳句の雑誌に連載した短篇小説をまとめたもの。とても繊細でありながら大胆で、かつ鮮烈な印象を持つ小説たち。言葉にかかわる仕事をする人たちの内なるものに、惹かれそうになりました。
2012/12/13
辛口カレーうどん
言葉に関わる仕事をしている人々の物語。 『音叉のように』が一番好きだが、すべてよい。 短編集はいまいちなものも、混じっていたりするが、すべてすばらしかった。 言葉に縛られ、騙され、魅了され、もがきながらも、一生懸命生きている人々がいとおしい。
2014/05/12
THE WATERY
言葉にかかわる仕事をしている人々を取り上げた13の短編集だけど、決して絶対的な幸福が用意されているわけではない。言葉のもつ力は想像以上に大きくて深い。人は言葉に助けられたり傷つけたりする、その暗面を凝縮したような一冊。小池さんの実体験が見え隠れしていそうな「自虐蒲団」をはじめ、「漕ぎ出した男」や「音叉のように」は印象深かった。
2012/02/29
草食系
詩人やコピーライターなど、言葉に携わる人達の短編集(原題:言葉師たち)。そのままするりと収束するのではなく、不思議な所に着地するものが多かった。言葉を生み出す苦悩や没頭するあまり周囲を巻き込んでしまう話は、作者自身の話かと錯覚してしまうほど物語が立体的に浮かび上がってきた。幾つかの話で、著者自身の持つ「言葉に対しての静かな怒り」を感じて、不思議に思えましたが、あとがきで「詩に捕われるあまりの憎しみ、その毒が自虐に変化して言葉の節々に溜まる〜」とありました。「醜い父の歌う子守唄」が良かった。
2012/05/26
hideboo
小池作品は今回で2作目ですが、何とも言えない不気味さを秘めた短編集です。どの作品も詩で表現できる事を、敢えて短編小説で書き下ろしたようなイメージを持ちました。小池さんは言葉の持つ意味や、言葉で描かれる情景を吟味し尽くして書き上げたように思いました。
2012/03/11
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