観画談
観画談 / 感想・レビュー
NAO
『夢見る帝国図書館』で登場した幸田露伴の短編小説。大学に入ったものの神経衰弱になり、医者に転地療養を命じられた「大器晩成先生」の不思議な体験が描かれている。人里離れた場所で起こる妖しい出来事という泉鏡花の世界のような話だが、泉鏡花とは違っておどろおどろしいものたちが出てくるわけではない。呼ばれて、なぜ「大器晩成先生」は行かなかったのだろう。行かなかったところが「凡人」なのだろうか。
2023/03/23
しえるん
文アル読書会より。やはり近代文学の古くさく感じる言葉遣いにはまだまだ慣れません。しかし、前回の徳田秋聲の、庶民あるあるネタのような地味な(ごめん秋声)文章とは違って、さすが紅露時代を築いた幸田露伴と言えば良いのでしょうか。どんどん引き込まれていく。雨の音や、草庵で見つけた額の言葉や絵。そのひとつひとつに情景が浮かんできました。お寺の描写は残念ながら知識不足のため、何がどこにあるというのは全くわからず。悔しいので次は調べながら読みます。
2017/01/05
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