山陰土産
山陰土産 / 感想・レビュー
コルカロリ
2021年の島根県での文アルコラボの時に島崎藤村縁の地としてこの著作が紹介されていた。山陰地方を息子と巡る夏の旅のお話。けっこう知古だったり知り合いだったりなにかの繋がりがあったりする人と色んなとこに行ったり連れて行ってもらったりして色々エンジョイしてる。まったく縁のないひとと出会う旅の醍醐味もあれば縁のある人と遠い地で偶然出会う旅の醍醐味もある。山や自然の情景に対して丁寧な観察眼をもって記される島崎藤村の著作。こういう文章の情景ってやっぱ現地に赴くと想像しやすいなって実際に島根に行った分とても強く思う。
2022/06/08
ゆきなり
涼しい風だね…というのが藤村の辞世の言葉らしい。『山陰土産』他藤村の紀行文をいくつか読んでみて、それがいかにも藤村らしい気がした。旅先でその土地の気候を感じたり、土の色の違うのに驚いたり、建物や芸術を見て歴史についてあれこれ考えてみたり友達や子と語り合ったり、目まぐるしい精神活動の絶えなかった藤村である。きっと本当に死ぬ間際までそうだったのじゃないかと思う。死ぬとはこういうことかと思い、その感じをつくづく味わって、体感をそのまま言ったのじゃないか…と想像する。それは案外悪くもなかったのかも、とも想像する。
2019/04/28
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