藤十郎の恋(小説)
藤十郎の恋(小説) / 感想・レビュー
ポウ
いい本は読んだ後に思わず唸りたくなるが、この話は読んだ後に鳥肌がたった。 素晴らしいね。菊池寛。さすがやわ。
2016/07/25
よひとかっぽ
元禄のころ、上方を賑わした歌舞伎役者・坂田藤十郎の話。名優だからこそ大衆の流行り廃りには敏感。不安と焦燥に思い悩み、ふと思い立った言葉が口をついた。。嘘か誠か炎上商法にいいも悪いもあるものか。芸のためならば、女心を惑わすのもまた芸の一つ、と。
2022/10/31
hiko1
江戸時代の歌舞伎の世界のお話。上方文化が栄え歌舞伎人気が高かった時代、その中心にいたのが坂田藤十郎である。その藤十郎に気鋭の役者が挑戦してくる。自分の芸がマンネリ化していると感じた彼は、人妻に恋する男の役に挑む。そういう経験のない彼は、宴会が開かれている茶屋の主人の妻に、自分の役者生命を賭けて偽りの恋心を誠のように語る。相手がその口説きを本気にしたとき、彼は身をかわす。 藤十郎の真剣な演技と、人妻の真剣な恋心のぶつかり合う場面は迫力がある。そこには凄まじいまでの恋の駆け引きと、芸に対する真剣さが見られる。
2022/01/02
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