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かのように

かのように

かのように

作家
森鴎外
出版社
ゴマブックス
発売日
2016-07-20
ISBN
9784777164684
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かのように / 感想・レビュー

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無識者

「余ハ石見人 森 林太郎トシテ死セント欲ス 宮内省陸軍皆縁故アレドモ 生死別ルヽ瞬間アラユル外形的取扱ヒヲ辭ス森 林太郎トシテ死セントス墓ハ 森 林太郎墓ノ外一字モホル可ラス」という旨の遺言を思い出す。森鴎外は明治政府の矛盾を精確に把握しつつも、明治政府の歯車としてしか生きられない葛藤みたいのを感じた。結局小説と死ぬ間際にしか思いを表にだせなかったのだろうか。 

2016/12/12

twinsun

このような作品を著しても平気でいられたのは国体に悩む問題提起を一時的な若者の迷いと結論づけるようにも受け取れるオブラートに包んであるからであろう。「舞姫」の包含する広範な自由思想と具体的な行動も白日の許に晒された挑発的なものであるが同様のオブラートに包まれている。鴎外は野放しの過激分子であったともいえるかもしれぬ。

2023/04/16

choconaut

高尚。かのようにという怪物。無いものが有るかのように、神がいるかのように、道徳があるかのように。人生のあらゆる価値のあるものは、かのようにを中心にしている。仮初なのか。話を聞いた綾小路は、自分が信じているものは本当は(存在して)ないと言われているために、”かのように”を受け容れられなかったからではないか。短くて難しくてあまり理解できず、綾小路はそんな読み手を投影しているのではなんて思いました。

2024/04/04

カフェイン

師が森鴎外は近代に生きながらポストモダン的な思想をすでに持っていたとおっしゃていたので読んだ。 たしかに大きな物語を幻想なのではないかと考える人物が主人公の物語だ。まさに明治時代、近代化に邁進する日本に生きた人物がすでにこういう思想を持っていたのは驚きだ。 信仰の話がわかりやすい。実際に信仰の対象が存在しないことがわかるようになるが、信仰する真似をしている。当時も教養人は真に国家や正義、宗教を信じてはいなかったのだろうか?

2018/07/02

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