野草雑記・野鳥雑記 02 野鳥雑記
野草雑記・野鳥雑記 02 野鳥雑記 / 感想・レビュー
モリータ
◆1926-39年に各種媒体に発表された野鳥に関する随筆の集成。「野草雑記」と二冊組で1940年,56年刊、岩波文庫版は2011年刊。あまり出回っていないようで、新品/安くは入手できず、青空文庫で読む。◆鳥の名の由来や鳴き声との関係の記述はそのまま受け取っていいか微妙だが、「翡翠の歎き」「絵になる鳥」「談雀」など、人間が古くから親しんでいる小さな生き物に対してユーモアや哀れみをもった書きぶりを面白く読んだ(『とりぱん』にはこれに通じるものがあると思う)。◆しばらく野鳥ものの随筆もいろいろ巡ってみよう。
2022/05/05
青
柳田國男には、生真面目な学者先生というイメージがあったので、遊び心たっぷりな語り口調に驚いた。というか、やってること自体が遊びみたいだ。 鳥の鳴き声が地元の人たちの間でどのように聞き取られているか調査している。あるところではカッコーの鳴き声を「ガンコ・ガンコ」と聞いていて、それに付随する物語が語り継がれている。その時代、その場所での暮らしぶりが透けて見えるようで、興味深い。今は失われてしまった郷土文化を窺い知ることのできる貴重な資料である。
2018/08/05
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