死後の恋
死後の恋 / 感想・レビュー
みも
最後の1行の為に書かれたような作品。歴史の暗黒を背景に秘匿し、太宰の告白体を思わせる軽妙な口語で語りは始まる。やがて引き入れられた世界には、淫靡なサディズムの匂いがすると感じるのは僕だけだろうか…。猟奇的とも言える生々しい描写が、戦争の残虐性よりも甘美な幽玄性を醸し出しているのは、著者の放つオーラによるものだろうか。異彩を放つ本作は、カテゴライズすら難しい。ましてや感想など、凡人の僕には言葉が無い。
2017/05/05
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