性悪猫 (やまだ紫選集)
性悪猫 (やまだ紫選集) / 感想・レビュー
パフちゃん@かのん変更
何と表現したらいいのか分からないけれど、不思議な物悲しい様な切ない様な気持ちになる。漫画だけど詩のようだ。そして哲学のような深いものがある。昔、母親の里の二階でCOMを読んだ時に感じたような独特の気分。作者はもう亡くなられたそうです。
2017/11/23
Shoko
読んだというより、鑑賞したというべき本。猫たちの、美しく、生き生きとした様子に、思索に満ちた言葉。まるで詩のようなマンガでした。「自分を憎むなんて 思い上がりでないかしら こんな自分は自分でないと 言いたい 裏返しなのではないかしら」 佐野洋子さんのエッセイで知り、手に取った本。これからも折にふれ読み返していきたい。本になりました。
2017/10/26
ムーミン2号
猫が猫として描かれた稀有なマンガであり、猫が猫らしくない思考をしながら猫らしい行動をする稀有なマンガであり、その猫の思考と行動とが妙にマッチしてしまうこれまた稀有なマンガである。まるで詩集をめくるような感覚に襲われる一冊だ。とにかく、優れたマンガ集である、としか言いようがない(つまり、このマンガ集のどこからか一つでも引用し紹介しようものなら、これも! こっちも! となってしまうということ)。時に棚から出しては読んでみたいマンガがまた増えた。
2021/03/07
ゆりあす62
古本屋さんで見つけ、すぐ買いました。この写真の本より、古い本で、猫も背中向けて顔だけこちら向きという表紙です。 上目づかい、どこ見てるかわからない表情で「すさんでいるの」と作中のことばそのままで、つれて帰らないわけにはいきませんでした。 猫の絵も最高に素敵ですし、物語と言うより、みなさんもコメントしてますが、詩集ですね。 どの猫もにも、作者紫さんの、とてもやさしい、でも、変にやさしすぎない愛をかんじました。みんなかわいいですが、裏表紙の寝てる(最初死んじゃってるのかと思った)猫には、撃沈です。
2015/06/24
ぐうぐう
昨年の春、突然に私達の前からいなくなったやまだ紫、その復刻第1弾。猫の視点で綴られた日常が、淡々としたおかしみとせつなさで描かれている。「貴方は淋しいのだ やさしく在ろうと努めたことが 誰の――何の――為になったろう ……と思うとき 貴方は… 傷だらけだ」。猫だからこそ、人の日常が詩情となって救われていく、輝いていく。何度も何度も読み返したくなる、それは愛しい日常となって。
2010/01/20
感想・レビューをもっと見る