手塚治虫が描いた戦後NIPPON: 1945~1964 焦土から東京オリンピックまで (上)
手塚治虫が描いた戦後NIPPON: 1945~1964 焦土から東京オリンピックまで (上)
- 作家
- 出版社
- 小学館クリエイティブ(小学館)
- 発売日
- 2015-07-10
- ISBN
- 9784778033064
手塚治虫が描いた戦後NIPPON: 1945~1964 焦土から東京オリンピックまで (上) / 感想・レビュー
たまきら
手塚治虫という漫画家は、常に何かを模索していたのかなあ。これはあの人の絵を真似しているのかな?と思う部分があっても、気づけばその雰囲気も手塚スタイルに取り込まれ、あの世界にとけこんでいる。変わりゆく世界に驚いたり、感動したり、憤ったりした彼がその一瞬一瞬をそのままネタにしている気がする。
2019/06/06
出世八五郎
養老猛司のあとがきで、アトムを描いた昭和には未来があったが、平成は成熟して煮詰まった社会であり、未来がないという。未来に夢を描く作家が生まれて欲しい。兎角、漫画などのサブカルチャーが子供達に刺激を与え、未来を作ると考えれば、サブカルチャーの責任は重大だ!っつうのは大袈裟な言い方だけど、それくらい重要なことだと思う。本書は資料価値を有する作品で題名と合っていないと思う。それでも手塚ファンや漫画ファンには価値がある。
2016/02/14
更紗蝦
巻頭の『1985年への出発』は、月刊ジャンプでリアルタイムで読んだ作品で、1972年生まれの私はモロに手塚先生がターゲットとして想定していた読者層だったのですが、当時既に手塚ファンだった私でさえ「反戦というテーマがストレートすぎて説教くさく感じられること」と「タイムスリップネタなのにSF的な面白さがないこと」にガッカリしたので、手塚ファンではない他の読者は尚更つまらなく感じたのではないでしょうか。今は手塚先生の危惧が身に染みて理解できます。時間を置いて読み返して、こんなにも感想が変わることに愕然とします。
2019/03/07
八百
手塚先生…あまり読んでないなぁ。ストーリー漫画で洗練されていてどこか優等生チック、それを嫌って刺激的なギャグ漫画やスポ根モノばかりを読み漁っていた当時の八百少年はくだらない大人になりました(泣) で今更ながら火の鳥もアドルフも読もうの決意の取っ掛かりがこの一冊。中身については私如きがあれこれ言うまでもない素晴らしさ、ディズニーのお株を奪うようなアニメ然とした作画のコミカルさとは裏腹に平和と反差別を掲げたメッセージは強烈でやはり日本漫画界の第一人者であることは間違いない。企画してくれた小学館に感謝です
2016/10/21
ぐうぐう
戦後70年を機にしたと思われる企画本。手塚漫画を、戦後という観点から眺める。この上巻は、1945年から1964年、つまり終戦から東京オリンピックの時代まで。どれも既読の作品ばかりだが、特徴的なのは、「雑巾と宝石」や「太平洋Xポイント」のように、短編というよりは中編と呼んでいい規模の作品が収録されていることだ。そういう意味で、読み応えがある。ただ、終戦という括りにしてしまうと、ドラマでオブラートに包まれたテーマが剥き出しになってしまって、少々味気ない。(つづく)
2015/07/20
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