エルトゥールル号の遭難 トルコと日本を結ぶ心の物語
エルトゥールル号の遭難 トルコと日本を結ぶ心の物語 / 感想・レビュー
chimako
エルトゥールル号の遭難の前後を知る。社会科の教科書に載らないこんなささやかな歴史が実は大切なのではないか。台風だけが沈没の理由ではない事もきめ細かく描かれる。絵本の形を取っているが、かなり読みでもあり、考えさせられる事も多い。作者が最後に言いたかったこと。「人間が人間として人間に向き合った無償の行為が、すべてを動かした」 国や組織の犠牲になるのは小さな一人一人の人間。それを救うのも人間。相手を思う当たり前の心。助かったトルコ人を国まで送った軍艦に秋山真之が乗っていたと言う雑学のおまけ付き。
2015/05/13
モリー
この本の存在をできる限り多くの方に伝えていきたいと思います。トルコと日本の友好のきっかけとして広く知られるエルトゥールル号の遭難の裏に、そして、その後の顛末にも知られざる事情が潜んでいた事を知り、驚くと同時に落胆しました。作者の寮美千子さんは海に沈んだエルトゥールル号をしてこう言わしめます。「世界を動かし、人の運命を決めるのは、真心とは別のもの、別の原理なのだろうか。」と。しかし、国の思惑とは関係く行動した、紀伊大島の人々の真心がなければ、やはりこの心打つ美談は生まれなかったでしょう。
2019/03/24
ここまま
親日国トルコ、その理由は・・・名もなき人達の善意が、120年後の日本の国としての評価を上げ、助けてくれている。なんと感動的な実話でしょう。人としてどうあるべきか、の選択が英雄的行動につながったのでしょうね。これぞ本物の友好です。
2015/01/07
とよぽん
寮美千子さんの作品3冊目。トルコ軍艦遭難の話は、道徳の教科書にも出てくる。この絵本は、軍艦を語り手にして事実を客観的に語ろうとしている。作者は「世界を動かし、人の運命を決めるのは、真心とは別のもの、別の原理なのだろうか。」「ほんとうは、トルコや日本という大きなものではなく、人間が人間として人間に向きあった無償の行為が、すべてを動かしたのではないか。」と書いている。この絵本を読み、今までとは異なった視点が得られた。絵は磯良一さんのスクラッチ・イラストレーションという、光の線と影による巧みな挿画。
2019/02/16
nanmatuko
道徳教育でとりあげられているエルトゥールル号の遭難。被災したトルコの人々を助ける和歌山の村人と、イラク紛争時に日本人を助けてくれたトルコ。両国の友好関係は素晴らしい。生徒に読んで知ってもらいたい。古い船であるエルトゥールル号が日本への派遣船として選ばれた理由や、救助された人々がトルコへ移送される際の当時の政府の思惑などもわかって興味深かった。
2015/01/09
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