クルアーンを読む (atプラス叢書13)
クルアーンを読む (atプラス叢書13) / 感想・レビュー
南北
イスラム法学者であり、ムスリムでもある中田考と橋爪大三郎との対談です。橋爪さんがキリスト教を軸として中田さんに質問していくような形で進められているので、とても読みやすくなっています。イスラム教では最後の審判の前に宇宙が滅びて、全員が死ぬと考えているとは知りませんでした。また、イスラム教はナショナリズムになじまないだけでなく、法人の概念もないため、西洋文明の後塵を拝する傾向があることもよくわかりました。飯山陽さんの本よりも穏健な印象を受けた点も好感が持てました。
2020/05/04
Koning
非常に困った本(笑)ハサン中田師の本かーと借りてみたらよりによって橋爪との対談本だった罠。橋爪が例によってヴェーバー推しで19世紀感丸出しのあれこれ知ったかをしつつ中田がスンニ派いいよ!を畳み掛ける本。そんな感じだと思えばいいのかもしれない。橋爪部分を除けば中田によるイスラームはこんな感じだよ講座?と言えるかもしれない。というかクルアーン読本とかそういうもんではなかったりするのでタイトルのつけ方も何だよなぁ、これ。冒頭で「クソ実証主義」って恐らくはお前事実誤認を積み重ねてるだけじゃないかって(続き
2016/04/28
ころこ
イスラム教徒で無いひとがクルアーンを読む動機には何があるのか、橋爪は冒頭で応えます。「私たちは、キリスト教文明の共通ルールを、明治維新このかた受け入れてきた。これが、イスラーム教文明のルールでなかったのはどういうことなんだろうという、自己理解にも通じていくからです。」文学が廃れてしまったのは、我々が明治から行ってきた「ヨーロッパ人になる」というプロジェクトに積極的意味を見出せなくなったからです。イスラム教文化のルールであったなら、文学は他の方法で実現されていたのか。あり得た別の歴史への誘因は、例えば人気が
2018/07/31
禿童子
橋爪大三郎と中田考の対談。橋爪さんはユダヤ・キリスト教サイドからツッコミを入れるポジションで、それに対してムスリムはこういう風に見ているとスンナ派のイスラム学者ハサン中田が応じるという形で進みます。神の言葉を伝えるクルアーンと預言者ムハンマドの言行録ハディースからイスラム教徒の規律を司るシャリーアまで、一通りの知識が得られるので有益。ただし、シャリーアには例外規定が多い。例えば背教者の取扱いは原則として死刑だけど、実務的には狂人として扱って処刑しない等。カリフ制は普遍主義という面でコミュニズムに似ている。
2018/07/11
クサバナリスト
イスラムの基本的なことを少しは理解できたかな。今までキリスト教、イエス、聖書と対比して認識していたイスラムにズレがあったことが分かった。
2016/05/01
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