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脳がわかれば心がわかるか (homo viator)

脳がわかれば心がわかるか (homo viator)

脳がわかれば心がわかるか (homo viator)

作家
山本貴光
吉川浩満
出版社
太田出版
発売日
2016-06-07
ISBN
9784778315191
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脳がわかれば心がわかるか (homo viator) / 感想・レビュー

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ころこ

いわゆる「心の哲学」、「心脳問題」を分かり易く扱った本です。著者の語り掛けが迂遠で、その迂遠さに本書の意味があるのでしょう。内容は、少しネットで調べると出てくるものばかりで、「この本ではここまでしか行かないの?」となります。見方を変えると、脳科学者、哲学者が難しい言葉や理論を使って論じても、そこまでしか行かないのだということを理解するということが大事だということになります。人間が何かを理解することがどういうことかということを考えれば、どれだけ脳科学の知見が増えても、必ず哲学的アプローチが必要になります。

2019/07/24

ころこ

恐らくこの問題が分からないのは、客体としての脳の身近にあるのは観察者の脳でもあり、定義上観察者は客体(外観)としての心を知り得ず、主体的(内観)な心との混同から生じていることにあるのではないかと思います。これは本書後半にある著者が翻訳したサール『MiND』の説明に合致しています。このことを確かに「カテゴリーミステイク」だということも出来ますが、前半の説明ではこうはいっておらず、一貫性の無さが説得力に欠けるとの印象を与えているのかも知れません。ところで、本書の前半に脱線で書いてあるのですが、脳科学の注目のさ

2021/04/09

禿童子

とても含蓄が豊かな本で、主題を離れても教養を高める手引きになる。カントの第三アンチノミーというと何やら難しそうだが、「世界は自然法則に還元できない。自由が存在する」という正命題と、「世界は自然法則に還元できる。自由は存在しない」という反対命題が同時に成立する二律背反状態のこと。前者を「日常経験」、後者を「科学」と見立てて、心脳問題をカテゴリーエラーの「疑似問題」として解決ではなく「解消する」のが本書の基本的立場らしい。カントやベルグソンまで持ち出すのは驚きだが、錯綜する議論を整理するのに有用な本でした。

2019/08/09

koke

心脳問題の入門書というイメージ通りだったのは3章まで。4章では、脳科学の進歩がコントロール型生政治の全面化と政治的思考の脱落という事態につながっていることを指摘する。終章では、一般性をもつ科学では記述できない持続と特異性を論じる。科学者ではない私たちが、「週末の科学者」の放言を真に受けず、世の中の脳中心主義にも染まらないための知恵が色々詰まっている。

2023/11/25

ミズグ

この本は難問だけあずけられて解決編がない探偵小説のようなものだ。スッキリとした気分を得るには不似合いだが、答えを求められる日々から少しだけ自由にしてくれる旅である。

2016/09/06

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