ウツボラ(2)(完) (エフコミック) (エフコミックス)
ウツボラ(2)(完) (エフコミック) (エフコミックス) / 感想・レビュー
匠
分厚い2巻目でしかも完結巻。官能的なシーンが随所に織り込まれながら抜け出せなくなっていく。数々の謎が見事に収束していく終盤、ズシンと胸の痛みを感じつつ作家というものの輝きと虚しさを想った。クセのある登場人物が顔を揃える中、小説家である溝呂木の姪だけが純真に見えてホッとできたけれど、最後のページまで手を抜かない物語には、ただただ唸るしかなかった。なんなんだあの1ページ、すごいな・・絵だけで、その姿だけで、多くのことを語り、そして新たな謎を残す。いったいどっちのなんだ?読み終えてまた遡りたくなってしまった。
2013/08/08
エンブレムT
心の中の闇だけがクッキリと描き出されていた前巻。それぞれの輪郭が確かなものになるにつれ、真実が浮かび上がってきた今巻。・・・けれど、私が『真実』として見たものが『本当』だったのかどうかはわからない。全てが陽の元に晒された一瞬が確かにあったと思うのだけれど、流れ込んできた狂気に呆然としているうちに、世界は再び薄闇に沈み込んでしまったから。全てが夢だったかのように。心が目覚めを拒否する、黒い謎とエロティシズムに溢れた、美しい悪夢のように。・・・誰の見ていた夢なのだろう。・・・誰の望んだ夢なのだろう・・・。
2012/07/06
❁かな❁
コミックレンタルで1巻、2巻合わせて借りて良かったです!1巻読了後続きが気になり、すぐ2巻を読みました。1巻の感想で少し官能的と書いたのですが2巻は更に官能的な世界でした^^;小説を読んだような感じですごく楽しめました。内容が結構、複雑で何となく、そうなのかぁってわかるのですが、わからない箇所もあったりして、一度読むだけでは理解できないところもあります。気になりネタバレサイトを読んでもっと深くわかり納得できました!ですが人によって解釈が違う事もあるでしょうね。作品としてすごかったです!明日美子さんスゴイ★
2013/07/07
藤月はな(灯れ松明の火)
自分の書きたいことを書いていたはずなのに周囲の期待に添えるように書かなければならない葛藤、物語の産みの苦しみ、作家の作品が好きだったからこそ、裏切られた怒りなど小説が好きな人にとってズキズキきます。「昨日の傑作は今日の駄作」は創作家にとって恐怖以外の何物でもない。無邪気なこよみは「作家でない」と線引きして溝呂木に立ち入らなかったが溝呂木は「彼女」によって最高の作品を自分の死によって完成させた。実在の「彼女」は虚構となり、人々の心に残り、虚ろは埋められ、新たに生み出されるというはっとする一コマで終わる。
2012/05/23
Nyah
「顔のない死体」とひとつの「小説」をめぐる物語。 盗作に気づく編集者。死体は誰かを追う刑事たち。そして謎は明かされる。うーむ、スッキリしない。
2023/06/09
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