白き日旅立てば不死 (定本荒巻義雄メタSF全集 第 3巻)
白き日旅立てば不死 (定本荒巻義雄メタSF全集 第 3巻) / 感想・レビュー
ぶうたん
著者の作品には思い入れが強く、初期の短篇集は自分にしては珍しく何回か読み返しているほど好きである。それにも関わらず本書は何故か読まないままでいたのだが、今回メタSF全集が刊行されたため、思いきって手に取った。ヨーロッパを舞台にして重層的に構築された作品で、まぎれもない傑作である。全く古びていないし、特に最終章のシュールリアリスティックな描写にはしびれてしまう。読む度に異なる印象を受けそうで、本作も折に触れて読み返すことになりそうだ。でもその前にサドも読まなきゃいけないですね。
2014/12/08
Schunag
ただし角川文庫版にて。
2024/05/19
渡邊利道
驚愕の完結編が出た三部作一作目。曖昧な動機からヨーロッパを旅する建築技師が、サドのモチーフに彩られた〈異界〉に迷い込み、精神分析と芸術論の迷宮をくぐり抜けながら〈真相〉へ辿り着く。マニエリスムや数学的な思弁によって、主人公が移動し続ける時間や空間の風景に独特の幻想的な奥行きが生まれ、ミステリタッチの物語の展開に、少しロブ=グリエなども思わせるところがあって、また作品の核を為すのがまるで少年のような「愛」と言うかほとんど「愛への憧れ」なので、基本的にはとてもポップな作品になっている。
2017/09/26
ぐーたり
いいトシになってから再読しようとしたら挫折したけれど、高校生のときにこの小説を読んで魅了されました。曇天の快楽というか、苦痛なのに甘さに満ちている雰囲気に酔ったのでした。強烈に北海道に住みたいと思い、北大志望して入学し6年住みました。いま帯は工藤先生の名がありますね。なつかしいな、北大のロシア語の先生でした。
かやは
ものすごいのを読みました。
2014/11/30
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