マニエリスム談義: 驚異の大陸をめぐる超英米文学史 (フィギュール彩 100)
マニエリスム談義: 驚異の大陸をめぐる超英米文学史 (フィギュール彩 100) / 感想・レビュー
三柴ゆよし
マニエリスムを鍵詞にアメリカ文学、ひいてはアメリカそのものを読み解いていくセッションでありながら、高山宏&巽孝之という知の両雄によるインプロビゼーションは果てなき蛇行運動を繰り返し、最後の最後までどこに連れて行かれるかまるでわからない。この対談自体がほとんどマニエリスムの世界であり、この学識の深さには恐れ入るばかり。学魔・高山宏の博覧強記から派生する意地悪なミスティフィケーションも最高だが、そんな高山から十も百も引き出してしまう巽孝之の当意即妙ぶりも最高で、対談本来のおもしろさを存分に味わうことができた。
2018/04/25
Akito Yoshiue
刺激的な対談。お二方とも知識量が半端ない。
2018/04/16
western
たいていのものはマニエリスムであること、高山宏はポーであり神であり遍在していることはとりあえず理解した。近年の英米文学研究の名著をひたすら列挙してくれるのでありがたくメモっておく。ヘブライの釈義学を読み解くようにポーとボルヘスの推理小説を読む The Mystery to a Solution (John T. Irwin) なる本を若島正が翻訳中であるというアツい情報を得た。
2018/09/20
amanon
その半分以上が未知の夥しいまでの人名と書名。更に本書を一通り読んでも、結局マニエリスムのなんたるか、は未だあやふや。それでも読んでいて何とも言えない知的興奮を覚える。単純に「世の中には、これだけ面白そうな本、全然知らなかった本があるんだ!!」という驚きの連続。それを味わえるだけでも本書を読む価値があると思う。とにかく古希を超えても挑発的な発言を繰り返す高山宏氏が痛快。こういう人がうちの英文科にもいたらな…と思うことしきり。また、高山氏と由良君美氏との愛憎入り混じる微妙な関係が垣間見られたのも、興味深い。
2019/03/18
黒い森会長
久しぶりにワクワクしながら読んだ。高山宏が、すべてをマニエリスムと言ってしまうところを、巽孝之が丁寧に内容をフォローしてしてゆく。高山宏だけなら、何が言いたいのかわからなくなり、巽孝之だけなら真面目過ぎて、面白みに欠けるところが、「対談」により上手くまとまっている。ただ、残念なのは、索引が付いていないこと。大学生ぐらいだったら、自分で作って、順に読んでいったのに…。荒巻義雄の名前も久しぶりに聞いたし…。面白かった。
2018/05/03
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