社会的なもののために
社会的なもののために / 感想・レビュー
ゆう。
新自由主義社会が蔓延り、利己主義化していくなかで、あらためて社会的なるものを考察し、社会のあり方、政治と社会とのかかわりなどを考察されている。私たちの社会は何をなくし、何を取り戻さなければならないのか、また何を構築する必要があるのか、ソーシャルをキーワードに考えることは重要だと思った。
2019/10/23
Mealla0v0
社会的なものをめぐる基調報告及び討議。話題は多岐にわたるが、新自由主義、労働、移民、都市などが主に論じられている。個人的な感覚ではあるが、酒井隆史の優れた洞察やコメントには非常に啓発されるものがあった。日本における社会的なものの発見、それと植民地の関係、加えて社会的なものなき社会の可能性など。何度も読み返してはいるが、これからも幾度となく読み返すことになるだろう。註や参考文献は非常に有用なので勉強して出直す。
2021/02/09
バーニング
一読しただけで図書館から借りたためにメモもロクにとれていないが、専攻が政治学なのでその観点で政治(あるいは政治的なもの)と社会的なものとの関係についての言及が多かった1、3、4章と、6章において東京と地方の関係を都市論、コミュニティ論の観点から言及していた箇所が面白かった。あといっちー先生の『社会』は要再読、と。
2013/11/06
にぼし
討論形式なので,なじみのない人間にも話しが拾いやすくて助かります.メディアが単純な自由主義経済の不調を隠さなくなっているのはどういった経緯なのか気になって手に取りました.遊びや楽しみとしての視点で述べるなら,あずまんとかの議論はこういった手の知識をある程度身につけてからの方が楽しめるんでしょうね…
2013/06/18
Mealla0v0
市野川容孝たちの勉強会の報告書と討論のテキスト化の書。社会学業界にひとつ大きな提案となったのが本書であった。問題意識として、社会的なものは危機にあり、それをどう再建するのか、それに際してかつての社会的なものを越えなくてはならない、といったところが挙げられる。新自由主義に利用される社会的なもの、あるいは国民国家に埋め込まれた社会的なものを、いかに脱構築するのか。本書に決定的な答えはない。代わりにあるのは、様々な思考の欠片であり、ヒントである。最終章は3.11以後の社会学、人文科学にはなにができるのかを問う。
2017/07/18
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