KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

生活史論集

生活史論集

生活史論集

作家
岸政彦
石岡 丈昇
金菱清
川野英二
川端 浩平
齋藤 直子
白波瀬達也
朴沙羅
前田拓也
丸山 里美
出版社
ナカニシヤ出版
発売日
2022-12-15
ISBN
9784779516948
amazonで購入する

生活史論集 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ばんだねいっぺい

「立ち退きの時計」は「立ち退き」を他の何かに替えてもあてはまる気がする。読み進むうちに「脱宿命」という言葉に違和感を感じた。

2023/07/09

kuukazoo

社会学者10人による生活史の語りをもとにした論文集。無名の個人の生い立ちや人生を聞き取り、その語りを通して、歴史や社会と個人の関係を捉え直す。都市開発により繰り返し立ち退きを迫られたフィリピン人、在日コリアン、東日本大震災の被災者、女性ホームレス、釜ヶ崎の日雇労働者、沖縄戦体験者など自分の知らない現実を生きる人達。「出来事と選択と理由の、連鎖と蓄積」の先端にその人の現在があって誰にもジャッジはできない。そういう人生があることをただ受け止めるしかできないがそれだけでも学びになるのかなぁと思った。

2023/07/22

二人娘の父

「大きくない」声を聞くことも、生活史調査のひとつの目的なのだろう。10人の論考を読み終えて、漠然と共通したテーマについて考えている。自分の中で現在、とても大きな疑問・課題になっていることのひとつに、LGBT法案への批判(そんな言葉はあてはまらい罵詈雑言も含めて)への「理解」と反論がある。最も単純なものとして「マイノリティ擁護は、マジョリティ差別だ」を挙げたい。これを消化するのは、実は私にはたいへん難しい。この「他者の合理性」を理解できていない。感情的な反論だけで頭がいっぱいになるのだ。

2023/05/22

大久保遥

生活史から歴史や社会理論を示す論考、生活史の社会的機能、社会活動と生活史の関係…さまざまな側面から生活史の意義について考えられる本。学術的な議論に慣れていない読者にとっても、著者らが各々のフィールドで丁寧に聞き得た人々の語りそのものに、魅力や面白さをかんじられると思う。これらは何かを代表する著名人や権威者、いわゆるマジョリティのインタビューではない。わたしたちは、日常世界を生きる人々から教えていただくことがまだまだ山ほどあるのではないか、といったことをかんじさせられる。本書は生活史調査への入り口でもある。

2023/01/26

がんちゃん

主にマイノリティーといわれている人たちの生活史から見えてきたことは、その人はその人なりにそのときの状況にあわせて生きてきたってことなんですね。それは構造主義にも通じるかとも思うんだけど、人の生き方には優劣などはそもそもなくて、あるとしたら生か死。つまり、その人がいかに生き延びてきたかってことでしかないんですね。ところが単なる運や偶然でしかないのに、成功を手にしたとされる人たちが世間に持ち上げられたりするもんだから何か勘違いが生まれてしまう。いやはや、そんな風潮がなんかバカらしく思えてしまう昨今であります。

2023/04/26

感想・レビューをもっと見る