いつか出会った郷土の味 - 夢枕獏 -
いつか出会った郷土の味 - 夢枕獏 - / 感想・レビュー
よこたん
“もはや鮎は魚の形をした純な香りの塊のごときものとなっていて、食べたあとの記憶をたどっても、その香りを食したとしか言いようがないのである。” うわ〜鮎の香りとホクホクの身、食べたくてもうたまらない。ほぼお酒のアテに好適な、津々浦々の美味しいものがずらり。有名なお店の〇〇ばかりじゃなく、地元ならではの素朴な味も。語りかけてくるような文章、料理のイラストにも心煽られる。十和田湖のヒメマス、青森の海峡サーモンのお刺身ときたらもう。福島の山奥の、兎の頭のかち割り味噌汁の、味と見た目の解説にひたすら慄いた。
2021/06/06
リコリス
「うまいぞ、冷や汁は」なんて書かれると宮崎県まで食べに行きたくなる。とにかく言葉の一つ一つに食欲をかき立てられてしまって困った〜笑。岐阜県馬瀬川の梅ちゃんの焼くほくほくの鮎、ぷうんと脳に這い上ってくる匂いがたまらないらしい郡上味噌、食の宝箱といわれる能登の豆乳をつなぎにした十割そば、「いいねぇ。いやこまったな、これは」と言わせたトマトの漬物も食べてみたい。でもごめんなさい鮒ずしと兎の頭は無理です。 おろしがねですだちの皮をおろし、それを薬味に食べるソーメンは絶対美味しそう〜すだちが出回ったら試したい。
2021/05/07
ぐうぐう
食とは出会いだなぁ、と本書を読んで実感する。夢枕獏は、食を聖なる旅の物語と例えているけれど、その旅もまた出会いが紡いでいるのだ。本書の好感は、連載のために取材で訪れて食べたものがほとんどなく、あくまで夢枕獏が趣味の釣りや、仲の良い人からの紹介でプライベートに訪れた場所で食べたものが紹介されている点だ。なので、高級フランス料理店のピューレから、沖縄の島らっきょうまで、幅広い食べ物が登場する。(つづく)
2021/03/12
くさてる
グルメエッセイ。著者らしい素直な語り口で、日本全国のおいしいものを語っている。純粋に味覚の喜びと楽しみに耽溺しているので、これはもうつくづく、文章がうまいと思いました。
2022/12/07
りお
食はエロス。うまいものはエロい。 この境地に達してみたい。
2021/10/17
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