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米原万里を語る

米原万里を語る

米原万里を語る

作家
井上 ユリ
小森陽一
井上ひさし
出版社
かもがわ出版
発売日
2009-05-01
ISBN
9784780302790
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米原万里を語る / 感想・レビュー

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佐々陽太朗(K.Tsubota)

実妹(井上ゆり)と義弟(井上ひさし)他、米原万里さんが生前親しくしていた人々が語る米原万里の魅力。ゆりさんは小学生の頃、万里さんと共にプラハのソビエト学校に通っただけに、子どもの頃の万里さんの素顔を目の当たりにして育っているはず。そんな方が語る米原万里像は外から見た万里さんの印象(服装が派手で、化粧も香水もきつく、すごく大胆で力強い人)とは少々異なる。本当はずいぶん慎重な性格で、臆病なところがあったという。人は皆、外に向かっては突っ張っているが、親しい人にふと見せる素顔は繊細だったりするんだよなぁ。

2011/08/29

funuu

通訳という人は、お互いに見知らぬ同士が出会って、お互いに話をすることを媒介するわけです。そのやりとりのなかで、それぞれが相手を発見していく、そのプロセスのダイナミズムというものがあって、そこに通訳は立ち会うことができる。通訳がいなければ、お互いに発見し合うことも、理解し合うこともできない。しかも、発見や理解には、感動というものが生じる。その場に居合わせる通訳は、実はその感動を作り出し、演出することができる人たちです。

2016/02/11

豆ぽち

米原ファンとしては必読。ご本人の著作からは見えてこない他者との関係を通した像を見ることができる。強靭で揺るぎない精神の持ち主のように見えていたけれど、それは劣等感やコンプレックスの裏返しであったり深い苦しみを味わった上でのあの筆力だったんだと感じた。”I'm part of all I have met”[私は私が出会ってきた人々の一部である]という言葉が印象に残った。素敵な人々との関わりがあっての米原さんであったでしょうし、米原さんが周りに与えた影響も計り知れない。

2013/08/01

アコ

学生時代『ブロードキャスター』で存在を知り、昨年『ほぼ日』を読んで気になっていた米原万里さん。想像以上の才女。ロシア人以上に綺麗なロシア語を話し、面白いと思わせる通訳論を日本ではじめて確立したとのこと。その背景にあるのが在ソビエト学校での基礎学力の習得。妹の井上ユリさん目線の語り(夫の井上ひさし氏&幼なじみでもある小森陽一氏との対談)がよかった。兄と慕う吉岡忍氏のやさしい文章も好み。発想や物事の見方が斬新で、いい意味での奇想天外っぷりにますます興味がわく。ご本人のエッセイを読まねば。

2017/05/03

shiman

金平茂紀さんの「もらったものがたくさんあるのです。」という言葉が染みる。出会った誰かによって作られた私は、はたして出会った誰かの一部になれているか。

2022/02/12

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