加藤周一戦後を語る
加藤周一戦後を語る / 感想・レビュー
がんもどき
30~20年前にかけての作者の講演をまとめたもの。第二次世界大戦後の日本の在り方、九条の扱い、日本と周辺国、アメリカとのかかわり、湾岸戦争、911テロとその後について語られている。今のように、アメリカに頼るばかりで韓国や中国との仲を考えないと日本は孤立するという。いろいろな情報を疑ってかかること、政府やマスコミの言わないことを読み取ることの大切さを作者は説く。作者没後の世界なんかも予測していて結構当たっているところを見ると、アメリカ一辺倒はそれはそれで怖いなと感じる。
2022/05/14
Satoru Kikuchi
戦後の代表的知識人である加藤周一の講演集。同じく戦後の知識人として評される柄谷行人や吉本隆明が難解な言葉や思想家の名前をやたらと持ち出し、近づきにくさを出すのに対して、加藤周一の言葉は極めて平素。大衆を相手にする講演という性質もあるのだろうが、親しみを感じる。しかし、だからといって内容が薄いわけではなくむしろ濃い。豊かな教養と豊富な在外経験に基づく幅広い見識に裏打ちされた加藤の言葉は、まさにこれこそ知識人というもののように感じる。
2013/05/17
メルセ・ひすい
追悼 拝拝拝。。 いつまでも生きて御意見番でいてほしかった!明晰でユーモアを交えた加藤周一氏の講演。かもがわブックレットとして刊行された講演9篇を集成し、未刊行の1篇を増補した永久保存版。戦後を代表する知識人が縦横に語る「肉声」を再現した待望の書。
2009/08/15
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