拉致〈2〉左右の垣根を超える対話集
拉致〈2〉左右の垣根を超える対話集 / 感想・レビュー
kyoko
「拉致」「拉致2」そして「安倍晋三と…」を読んでつくづく思った。拉致被害者を救うためには外交交渉が大切だと。当たり前のことだが、今の日本は北朝鮮の体制を崩壊させることが目的になってしまっている。塩野七生さんの著作を読んでも、外交交渉の上手い・下手でいかに歴史が動いてきているか。したたかで賢い交渉、論点を整理することの大切さ、目的と手段の見極め。学ぶことは多いが、他人事だと思ってはいけない。わたしに何ができるか。まずは知ることだと思った。
2016/10/11
makimakimasa
出版されて4年以上経つ本だが、その後も拉致問題に関して特に大きな動きは無く、情報の古さをあまり感じない。出版時点で小泉訪朝から7年。経済制裁による強硬姿勢が問題を硬直化させてしまったことは、本書が一貫して指摘している通り、外交の手段としては結果的に誤っていたということになるのだろう。制裁ありきの救う会に煽られて思考停止状態に陥った家族会。「制裁より交渉を」「北朝鮮の立場になって考える」という蓮池さんの考えが正しいかどうかは分からないが、聖域化された問題に一石を投じ続ける姿勢は冷静で勇気ある行動だと思う。
2014/03/16
保山ひャン
拉致被害者家族の代表的存在だった蓮池透は、北朝鮮成敗の考え方では拉致問題は解決しないことに気づく。この本では、池田香代子、鈴木邦男、森達也との対話を通して、拉致問題解決の方策をさぐる。被害者が胸を張るようになってしまうことへの違和感、拉致問題を利用して北朝鮮の打倒をはかり、あるいは利権を保とうとする人々への不信感、蓮池氏の転換に対して投げられる「裏切り者」「左翼」の声に対する応答が、この本には詰まっている。森達也との対談は『クラウド』でも読んだものだった。鈴木氏とのぶっちゃけた対話に可能性を感じる。
2016/05/28
sirokuma
拉致問題が政治や運動に利用されていることで、なかなか解決にいたっていない、という現状を対談で浮き彫りにしている。もっと政治家が真剣に取り組んできていたら、もっとたくさんの被害者が帰って来ていたのではないか、と思うと口惜しい…。
2015/10/25
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