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戦争の時代と夏目漱石

戦争の時代と夏目漱石

戦争の時代と夏目漱石

作家
小森陽一
出版社
かもがわ出版
発売日
2018-12-21
ISBN
9784780309980
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戦争の時代と夏目漱石 / 感想・レビュー

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このみ

朝日新聞に紀行文として掲載された「満韓ところどころ」が興味深い。漱石が「満州」については書き「韓国」については書かず終わっていること。日露戦争の戦場になった二百三高地について、馬の蹄に詰まった石のことしか書かなかったこと。「それから」や「こゝろ」の登場人物の立場や資産状況。「小説の外側にある日々新聞記事で報道される現実と応答し、読者の記憶を呼び覚まさせながら、言ってはいけないことには踏み込まずに」「帝国主義戦争に対する批判を、このようなかたちで検閲をすり抜けながら小説に書い」た、漱石の巧みな軍国主義批判。

2023/06/26

かおりん×2

「こころ」を読むにあたって、時代背景を知りたいと思って読んだ。漱石が新聞小説を書く際に、時代と読者を意識しつついかに巧みに書いていたかを知り、益々漱石を読みたくなった。

2021/08/16

Mitsuru Oosaga

研究者でもあり、九条の会の事務局長の小森陽一の本。漱石の書いた文章、小説を通して、彼の生きていた時代は戦争の時代であると読み解き、それに対して漱石はよく考えられた批判を新聞小説という形で書いていたと分析したもの。まさに目から鱗だった。おそらく漱石は半分くらいしか読んでいないので、全集があるので、きちんと小森の分析をそばに置きながら読み直したい。

2020/01/08

鯉二郎

漱石が生きた時代は日清戦争、日露戦争、そして第1次世界大戦と10年おきに大きな戦争があった。漱石はそれらの戦争をどうとらえ、小説や評論を書いてきたか。この本では作品が書かれた背景や、登場人物の境遇などを詳しく解説している。私は漱石作品を愛読しながらも、いかに読み過ごしていた箇所が多いことかと反省した。この本によって、漱石作品のより深い読み方が身についた。

2019/09/16

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