山本周五郎 人情ものがたり(市井篇)
山本周五郎 人情ものがたり(市井篇) / 感想・レビュー
ひさか
講談雑誌1949年4月号おたふく、オール讀物1956年3月号こんち午の日、小説新潮1956年6月号将監さまの細道、週刊朝日別冊陽春特別読物号1958年2月号ちゃん、オール讀物1956年12月号つゆのひぬま、小説新潮1959年10月号落葉の隣、の6つの市井人情もの短編を2022年4月本の泉社刊。「おたふく」がストレートで良い。「ちゃん」は抜け出せない生活とそれでも一緒に暮して行く家族の話が残酷でもあり、救いでもあり、感慨深い。山周さんの人情ものは深い。
2023/08/01
JADE
山本さんの小説は「青い畳に正座して白いご飯を頬張るような」と書いたのは、開高さんだったと思う(うろ覚え)。ん十年ぶりの山本さん。図書館の新着情報で目にして、懐かしくなって予約した。江戸の片隅で、倹しいその日暮らしをしている人々の、ささやかな幸せと小さな夢を、しっとりとした文章で情感たっぷりに描いた六篇。夫婦の情愛にホロリとした「将監さまのほそみち」、男女の心のすれ違いにしんみりした「落ち葉の隣り」が特によかった。いつか、文章をじっくりと噛みしめながら、たっぷり時間をかけて再読してみたい1冊。 ☆4
2022/06/22
のほほん
短編が6編です。「おたふく」は10年以上も片恋だった相手と縁があって夫婦になった明るくてお人好しのおしずさんのお話です。よい心がけだとよいことがあるのかな。「ちゃん」はいい人でまじめな飲んだくれの重吉さんを子どもたちとささえるお直さんのお話です。重さん、家族のためにもお酒は控えめにね。「つゆのひぬま」は毀れかかった船のような人が来る岡場所で暮らしているおひろさんが、おぶんさんが幸せになるための手助けをするお話です。おひろさんにも心安らぐ日々がきますように。真にやさしく強い彼女たちの暮らしにため息がでます。
2023/12/19
GO-FEET
このあいだの「武家篇」に引き続き、こちらも素晴らしいです。 「おたふく」 「こんち午の日」 「将監さまの細みち」 「ちゃん」 「つゆのひぬま」 「落ち葉の隣」 と粒ぞろい! で、かえすがえすも残念なこと。 こちらも誤字脱字が酷すぎる!
2022/08/10
きゅんちゃんのいもうと
みんな読んだ話だったけど、なんどでも周五郎さんにふれていたい。でも、結末が悲しい話はつらいな。何度読んでもハッピーエンドにはならないから。
2022/08/10
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