「可能性の文学」への道
「可能性の文学」への道 / 感想・レビュー
satoshi0757
将棋の端歩になぞらえた当時の文学界に対するスタンス表現がよく理解できるエッセイ集となっている。小説は面白いがエッセイが凡庸、あるいはその逆の作家は多いが彼はそのどちらでもない稀有な人だと思う。もっと長生きして「可能性」を切り開いていたら現代小説も少し変化したかもしれない。
2021/04/26
もう19歳じゃない
鋭い観察眼、圧巻の言葉捌き、徹底した戯作者根性。あ〜最高だった!!太宰と安吾との関係性と期待と信頼がうかがえて本当に良かった… 血肉となるまで読み返したい
2020/12/31
mitou umo
無頼派の作家たちは志賀直哉を憎んでいると思っていたが、それは正しくなく(少なくともオダサクに関しては)、志賀直哉の才能に敬意を表した上で、志賀直哉という権威、小説の神様として彼を祀り讃える文壇の成長のなさを批判しているのだということがわかった。また全編を通じて新しい文学の誕生を望んでおり、古き良き流れをよしとする風潮を否定する。まさに無頼派の作家であると感じられた。太宰や安吾の話がよく出てきて、東京と大阪という距離がありながらも同志として良い関係を築いている様子にニコニコしてしまった。
2021/07/03
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