寺山修司著作集 第5巻 文学・芸術・映画・演劇評論
寺山修司著作集 第5巻 文学・芸術・映画・演劇評論 / 感想・レビュー
ぐうぐう
短歌や俳句という定型から始まった寺山の表現は、その定型からいかに自由であるかという方向へと向かっていく。その思考過程が、著作集5巻に収録された文学、演劇論から理解できる。しかし、定型からの自由とは、単にその形式の破壊のことを言っているのではない。形式以上に、詩や文学、そして演劇が持つ精神をより開放することを目指しているのだ。その結果として、例えば、街そのものをステージとする、天井桟敷における市街劇という発想へと開花していく。過激であり、挑発的である寺山の表現には、芸術に対する誠実な想いが込められている。
2010/12/05
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