春のお辞儀: 句集
ジャンル
春のお辞儀: 句集 / 感想・レビュー
アマニョッキ
やっと手に入って嬉しい!買い渋りはいかん。この本、活版印刷で刷られているのでもう再販はないらしい。私のところにきてくれて本当にありがとう。 お気に入りは「ポメラニアンすごい不倫の話きく」「フェラーリの馬は案外落ち着いている」「水筒の麦茶を家で飲んでおり」最後の句はまさに今晩のわが家の図。 息子「おかあさん、お茶ちょうだーい!」 私「ちょっと今忙しい!水筒のお茶まだ入っとるやろ?それ飲んで!」、、、お恥ずかしい。
2017/07/22
はな*
タイトルに惹かれて手にとったら装丁が名久井直子さんで、活版印刷!とても素敵なご本(句集です)。"長嶋有さんは細かなコトに心躍らせる能力を持っている人"と解説があって、なるほどなるほど。〈南へ六十センチ渡る鳥〉〈ベルリンにただの壁ある去年今年〉ウフフ楽しい。〈ため息を覚え少年夏の空〉〈ポメラニアンすごい不倫の話きく〉ドキドキ何があったんだろ?タイトルになった〈控えめな春のお辞儀を拝見す〉と〈右頬に飴寄せたまま夏に入る〉が好き。
2020/06/08
えみさん13
【ドーナツの食べ終えし手の甘さかな】【図書館に本多すぎてさみだるる】【ポメラニアンすごい不倫の話きく】…名久井直子さんによる装幀が素敵。完全な活版印刷だそう。「しおり」では穂村弘さんらが参加。100%ORANGEさんのユルいいイラスト。どのページも長嶋有さんの魅力が満載!【「〆切一時間前からでもなんとかして出すようにと主催の長嶋が放った言葉は『臆さず!』「下手な句であることを気にせずに、という励ましに聞こえるけれど、厚い面の皮をもて、という意味らしいよ」】(しおり・『句会をやってみよう!』より)
2015/04/12
aoneko
ちょっと不思議で鮮やかな言葉の連なり。印象的なのは、においのする句。控えめな 春のお辞儀を 拝見す なんて、なんだか愛い。
2014/10/02
qoop
俳壇とは距離を置いて来た著者の第一句集。俳句の詩形を頑丈だと評する著者にとって、本書は夾雑物を排して核となる心棒を見失わないように心掛けてきた成果なのだろう。小説の余儀ではないという自負だろうが、翻って著者の小説の芯は何かと改めて考えさせられる。/放火魔は少年でした初桜 右頬に飴寄せたまま夏に入る/ジュリエットとロミオ可哀想盆の月/ポメラニアンすごい不倫の話聞く/雲の峰中古車売場の旗千本/湯気たててなんかないのという裸/悲しい目にしか作れない雪達磨/青嵐誘拐犯人のモシモシ/人の家の向日葵自慢する女
2022/03/13
感想・レビューをもっと見る