真剣師 小池重明
真剣師 小池重明 / 感想・レビュー
みつき
真剣師小池重明の波乱万丈な将棋人生を描いた評伝。将棋の知識もなく、賭け将棋で生計をたてる『真剣師』という言葉も、小池重明という人物も知らない私が、彼の真剣勝負には息が詰まり、手に汗握りながらページを進める事ができたのはやはり団先生の筆力か。何度か夢見たプロにもなれず、酒に逃げ、女に溺れ、借金にまみれる生き方はまるで博打そのもの。彼のその気質だからこそ、天才的な将棋を指せたのだろうが、その姿はあまりにも破滅的。逆転美を持ち前とした将棋のように人生までは逆転できなかった事に、何ともいえない寂しさが残る。
2013/05/12
mike101486
将棋の天才になれず鬼となった真剣師小池重明の記録。話は寂しい葬式から始まり、将棋の鬼に化しいく過程が書き綴られている。昭和の終わり頃の沢山の逸話、自分の社会人になった頃トラップしのめり込んでしまった。 将棋の駒の動きしか分からない自分ではあるが、最高に愉しめた一冊。 気になった言葉:「死ぬということは、僕だけがこの世から消え去るということで、この世は僕が消えてもずっと生き続ける」
2019/07/12
頭無
盤上の向日葵から来ました。いやー面白い男ですね。金庫の金に手を付けて人妻と駆け落ち(3回)とか二日酔いで大山康晴を完封とか所持金が十円玉二枚とか(笑)。生い立ちも父親が傷痍軍人の真似をした物乞い、母親は売春婦で小学生の頃から近所で大人とチンチロリンをやってたって。もう漫画ですよ。それと凄く昭和を感じました。何にしても愛すべき特大の馬鹿者ですよ。八王子の大会で当時小学生の羽生善治が小池の将棋の記録係をやったと言うのは興味深い
2018/10/02
ヘビメタおやじ
破滅型の人間の人生は、読ませるものが多いです。自分には、そういう生き方ができないと分かっているからなのでしょう。彼も、巡り合わせが違っても、結局こうしか生きられなかったのでしょう。人生の一回性を考えさせられ、感慨深いものがあります。
2016/02/15
おたか
ダメンズぶりがあっぱれ! 団先生の文章が相変わらずキレイ。
2014/04/08
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