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デザイン室 / 感想・レビュー
あじ
本がある場所は空気が浄化された森。本が蠢く場所は静と動の躍動で、ひしめき合っている。本に顔を与える事を生業とする鈴木成一氏はこの道三十年で、手掛けた顔は一万を越える。イメージする前に、本の中味を知るところから始める。それは本に対する礼儀であり、仕事に対する真摯な行為だ。本は呼吸をしている、語る、眠る。ここに紹介された本たちは、顔を気に入っているようだった。その吸引力に惹き付けられ、読みたくなった本が連なったのは言うまでもない。
2014/11/30
コットン
akiraさんのおすすめ本。編集のもとめるものだったり、帯とカバーの見え方だったり、著者からのイメージラフを膨らましたりと色々大変なブックデザインの内幕が見れて大変だなぁと思いつつ、面白い!。極め付きは1926年の『図案文字大観』(2009年復刻)を参考に平仮名とカタカナは無いので漢字から類推して印象を損なわないよう鈴木さんが創作したと。場合によってはそういった仕事もされるとは、驚きあるのみ!
2019/10/20
ヨクト
ぼくは本屋でぶらぶらしながら素敵な本と出会うことを楽しみにしてるんですが、どうやらだいぶ鈴木さんの手掛けた装丁を贔屓にしていたみたいだ。本当に驚いた。まさかこんなに装丁で惚れた本が鈴木作品だったとは。装丁が素敵なので、単行本で買い直した本もあるくらいだ。「ヴォイド・シェイパ」や「空白の五マイル」は内容を言い足りな過ぎず、言い過ぎずで、いい仕事してますね。
2014/08/30
スノーマン
奥深い装丁の世界の入り口から、少し首を伸ばして覗かせてもらったような気分。裏話を知る喜びを得られて大満足です。この本、知ってる!読んだ!本屋で見た!みたいな本がずらずらと出てくるのでページをめくる手が止まらない。鈴木さんの装丁は、あくまで本の内容を生かすための装丁。昔から、『縁の下の力持ち』という言葉にしびれる私には、本当に目がハートになってしまうような本。
2014/10/22
鯖
鈴木さんがこれまでに手がけた本の装丁と、本を読まないと装丁できないとの言葉通り、それらのあらすじや感想、装丁上の苦労やエピにも触れてあって、とてもとても楽しい一冊。森先生のスカイクロラやヴォイドシェイパ、女王の百年密室や完全自殺マニュアル、マボロシの鳥などなど。読んだことのない本は読みたくなるし、大好きな本は再読したくなる。大好きな本には美しくて、素敵な服を着せてあげたくなる。やっぱり私は紙の本が大好きです。
2014/09/27
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