Amazonで変なもの売ってる
Amazonで変なもの売ってる / 感想・レビュー
へくとぱすかる
易しく軽いことばで書かれているのに、すごく哲学的なファンタジー。ぼくらが現実と信じているものの基礎をうたがい、なしくずしに溶解していく。意識や感覚、存在の確かさまでも、流れる水のように現れては去り、それでいて、つねに何かそこにあるような。そしてことばの「ゲシュタルト崩壊」寸前とでも言いたくなる、変幻自在さ。そもそも「んぐぁをりhkの」って、とうてい通販の商品名じゃないし(笑)。現実社会の固有名詞が遠慮なしに顔を出すのが、妙にリアル。異星や地底世界や仮想の帝国や大陸がなくても、異世界はそこにある!
2020/05/09
あも
想像と随分違う不思議なお話だった。ちょっぴり横暴な姉ミカルと割を食いがちな妹ハルル。Amazonで偶然見つけた謎の商品「んぐぁをりhk」を注文したことで、世界の認識がちょっとずれる。不思議なエピソードの集積は、決して難解ではなくむしろスルスルと読みやすいものの、総体として見た時にシュルレアリスムの絵画を眺めているような不可思議な気分を与えてくれる。抽象画や幻想的な音楽の意味を考えることが無意味なように、不条理は不条理のまま愛でればよいのだ。読むのではなく体験するといった方が近い1冊。あなたwhpwじあgぽ
2019/01/19
ハイランド
中2病のミカルと(姉に較べれば)現実的なハルルの姉妹がAmazonで見つけた謎の商品をクリックすると、何でも見える聞こえる星人(?)のグラフトさんと、猫で少年でかわいいコックさんで少女のモネのいる不思議な部屋に……。どこか懐かしい香りのするファンタジー。挿画も装幀も作品の雰囲気に合ってる。最初は小学生かと思ったら二人とも大人だったのね。谷山浩子さん、昔は大好きでレコード時代良く聞いていたけど、最近はニコニコ動画の「幻想狂気リンク」で聞くぐらいになっちゃった(歳がばれる)。ああプレミア~ンヌ会員になりたい。
2014/10/22
T.Y.
通信販売好きでマイペースに突っ走る姉のミカルと、振り回される妹のハルル。二人はAmazonで正体不明の商品を見つけたことから、本来ならば人間とは干渉不可能な存在に関わることになる。姉妹の軽妙な掛け合いは現代的な感じで楽しく、携帯電話が変な方向に発達して使えなくなった世界とか笑えるネタも満載。設定や一部の言葉にはクトゥルー的なものも感じたが、やはり基本は夢のようなシュールな世界。後半のエピソードはもう意味を求めたものかも分からないぶっ飛び加減、ラストも平和なようで恐ろしくも物悲しい。
2014/09/10
♡ぷらだ♡お休み中😌🌃💤
表紙の素敵なイラストに惹かれて手にとってみた。作者は、シンガーソングライターの谷山浩子さん。『マトグロッソ』に連載されたものをまとめた1冊。てっきりAmazonで変なものをみつけてのお買い物エッセイかとおもいきや、Amazonで変なものを見つけたことがきっかけでパソコンのモニター画面の中の扉が開いて、主人公のミカルとハルル姉妹が中にひきこまれていくという不思議の国のアリス系のファンタジーだった。曖昧な感じが残るので好き嫌いの分かれる作品だと思う。
2020/12/02
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