貧困とセックス (イースト新書)
貧困とセックス (イースト新書) / 感想・レビュー
キムチ
筆者ものは以前介護を滅多切りした内容で触れた。当著書はルポライター鈴木氏と表題に関して腹蔵なく語り合う展開になっている。が、読んで行くと筆者の脳内は当然というか、介護業界にすぐにシフトして行き、根っこがぶれていない感じ・・常軌を逸して余りあるカノ業界!やたら保護団体が登場することを述べているがミドルアッパークラスの想像力の限界は私も同感。そして今なお続く東京発信の文化、貧困のエンタテインメント化。内容が濃いだけに所々バイアスをかけて読むがそれなりに納得する箇所も多かった。
2016/12/13
ユーカ
ルポではなく、ルポライター2人の対談。アンダーグラウンドな雑誌で、風俗や介護、暴走族なんかを扱ってきた2人が自然と目にすることになった、貧困について語り合い、貧富が二極化した日本の未来予想をしたりする。表題は“セックス”になっていて半分強はセックスワークの話題だが、虐待や介護現場、地方の話題もあったり。読み易いし、スッと頭に入ってくる。今まで貧困についてのテレビのドキュメンタリー番組をいろいろと見てきたけど、この本がよりリアルなんだろうなと思った。抵抗あるならカバーをかけて、みんな、読んでみて!
2017/01/21
ねこまんま
貧困の現実をなんとかしなきゃ!とライター二人が対談している本。制度をなんとかしなきゃいけないことは分かってるんだけどねえ。介護や教育、雇用問題、関係ない人はいないと思う。「最貧困中年童貞」については本当に最近増えてると思うわ。
2017/04/07
skunk_c
対談ものは読まないようにしているのだが、内容に釣られて買ってしまった。『最貧困女子』の鈴木氏と『名前のない女達』の中村氏は、サブカルや風俗を主に扱ってきたライターで、そこからセックスワークと貧困女性問題に切り込んでいったため、話が極めて生々しい。鈴木氏の熱いくらいの正義感と理想主義、対照的な中村氏の現実主義的なリアリズムというスタンスの違いが、かえって問題をくっきりと浮かび上がらせている。「中年童貞」に対する経験からの認識の違いや、教育現場に対するややステレオタイプな評価は気になるが、色々考えさせられた。
2016/12/06
ぐう
仕事の資料で読みはじめたけれど、読んでよかった、本当に。というより、読まないまま生きなくてよかった。脳を直接タコ殴りにされたような衝撃だった。自分も貧窮寸前だから感情移入し過ぎなのか?とか、この本を批判する人もいるところにはいるだろうとか思うけれど、それより一回読んでくれと思う。教育問題も介護問題も雇用問題も全部ぶち込まれていて、関係ない日本人はまずいないはず。冷静な感想はしばらく書けそうになくて、つらい。でも読んでほしい。会える知り合いには本気で勧めてみる。
2017/01/25
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