恋愛論 完全版 (文庫ぎんが堂) (文庫ぎんが堂 は 4-1)
恋愛論 完全版 (文庫ぎんが堂) (文庫ぎんが堂 は 4-1) / 感想・レビュー
阿部義彦
これは今更ながら読めて良かったです。一種の講演録で治ちゃんが自分の趣味趣向を小さい時から順にカミングアウトしています。桃尻娘の木川田源ちゃんのエピソードは自分の体験が勿論一部ではありますが反映されているそうです。うーんやはりそうだったのか!でもこんなに正々堂々と公衆の面前で喋り、涙まで流すなんて!この本を読んで橋本治さんの核心にふれて色んな事に合点が行きました。イースト・プレスさん有難う。男でも女でも人を好きになることには変わりがないのですがそこからの飛躍がまたこの人なんだなあ!ありがとう合掌。
2019/05/06
キク
橋本治さんの本で、一番好きです。なんて頭が良くて、率直なんだろう。泣ける。橋本さんのカミングアウトは、この本だけと思う。誰かを好きになるということを実体験を通して書いてくれている。橋本さんの文体について「あの軽薄な文体じゃなかったら、もっと認められる内容なのに、もったいない」という声があるけど、橋本さんは学術の世界に認めてもらいたいなんて、絶対に思っていなかった。ただ、今を生きる僕たちに、言葉を届けたかったのだと思う。そして、多くの人に橋本さんの言葉は届いた。ありがとうございました。そして、お疲れ様でした
たんたん麺
ヒマがなかったから時間がかかった!長いし読むのが挫折しそうだったけど続いたのは目からウロコの連続だったから!「恋愛っていうのは、なんか素敵なことで、なんか素敵な人が自分を、ほとんど文句なしに助けてくれることなんじゃないかっていうね。そんなの間違いですね。恋愛っていうのは自分で勝ちとるもんだし、その勝ちとるプロセスの中でおのずから意味が生まれ発見があり、そしてそのことによって自分が変わって行き、相手である他人も変わって行くことがあるっていう、そういうことですね」
2014/07/19
ヒダン
凄まじい悪文で論というより私小説であり、むしろ居酒屋で武勇伝を聞く感じである。初恋の彼との思い出を脱線に脱線を重ねて振り返る。好きになった人に好きだと言われたい、そういう関係ができて初めて相手に好きだと伝えられる。だからあらゆる口実を使って彼との仲を深めたし、直接言ってもらえはしなかったけれど彼も間違いなく好きになってくれていたと胸を張って幸福な思い出をのろけている。あまりにも堂々としているので自分も清々しく羨むことができ、この一年間で最も恋愛っていいなとときめいた本だった。
2017/02/14
ken_sakura
読書メーターで見掛けて、昔「桃尻娘」が本屋の棚にあって、読もうかなと思った時には本屋の棚に無かったことを思い出しながら、この本を本屋で手に取った。有吉佐和子は好きな小説家で、有吉佐和子について書かれた「誰が彼女を殺したか?」が、この本を買う後押しになった。そこは楽しく読んだ。エッセイの類は苦手。本編の恋愛論は苦労して読んだ。ごめんなさいm(_ _)m
2018/06/16
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