「キモさ」の解剖室 (よりみちパン! セ) (よりみちパン!セ 62)
「キモさ」の解剖室 (よりみちパン! セ) (よりみちパン!セ 62) / 感想・レビュー
さらば火野正平・寺
私は「キモい」という言葉が苦手だ。「キモいなんて言われたら、ヤクザの親分でも傷付くぞ」(by勢古浩爾)。しかしこの本は負のオーラが漂いながらも面白い。精神科医の著者が自らの思い出を中心に「キモい」とは何かを考察する。数々のエピソードは厭な感じが満載で、読む者によっては確実に元気を失うものもある。ただ、ふと思ったが、これらのエピソードを千原ジュニアあたりが喋ったら、笑える話になりそうでもある。陰湿に受け止めるか、エンタメにできるか。それは意外と正義感の問題だったりするのかも知れない。貴重な一冊。
2014/06/17
空猫
タイトル通り「キモい」感情の解説。中高生向けにご自分の体験談から始まったけれど、後半はやっぱりいつもの春日センセだった(*`艸´)。平山氏との『サイコパス解剖学』の元ネタか。文の文字サイズが不揃いだし(「っ」がマス目でいう左下にあり)読んでいて落ち着かなかったり。谷川俊太郎氏の質問(&応答)付きで色々と芸が細かい。意味の解らない(自分の理解外の)行動をする人は確かに「キモい」けれど「キモい」人に「キモい」と言った時点で双方とも「キモい存在」に成り果てる、というのはハゲ同。
2019/05/28
スノーマン
高校生の頃、暇さえあればニヤニヤしながら廊下をずーっと歩く男子がいた。一体何をしたいのか、彼の中学生時代なども知らないので余計に謎で、はっきり言うとキモかった。キモいというのは当時は無かった言葉だけど、感覚的にはキモいしか当てはまらない感じ?キモい例、盛りだくさんあります。そして彼らがなぜ周りから『キモい』と思われるのかを解剖。なかなか面白かったです。そして我が息子が『キモい』という言葉を吐かれないよう気をつけるべきポイントを教えてもらったような気持ち笑
2019/05/10
Gin&Tonic
精神科医の著者が「キモい」という感情を分析。「キモさ」ケーススタディ具体例の多くが著者の個人的な実体験だからなのか、感情的になっている箇所も散見されますが、概ねおもしろく読めました。でもこれは一歩引いて読むべきものなんでしょうね。/トイレを覗く性癖のある子が描いた自画像の話とか、人身事故を期待するホームの乗客の「血に飢えた」視線の話とか印象的でした。
2015/02/14
もちもちかめ
キモいはとても大切で人生をかけて守るべき感覚だけども、それを口にした途端に人を傷付ける凶器になる。はい。気を付けます。自己正当化がキモいと看破されていてとてもスッとした。あいつら、やっぱりキモいよね‥自己正当化を野放しにして、どこまでも何でもやりそう。人を傷付けものを盗んでも平気、そんな地平が透いて見えるから、キモい。でもそのキモさは自分にも当てはまるキモさ。そのバランス感覚の大切さよ。キモいを突き詰めて味わうことの大切さは、このバランス感覚にあるとみた。
2022/10/06
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