孤独な心: 淋しい孤独感から明るい孤独感へ (セレクション社会心理学 11)
孤独な心: 淋しい孤独感から明るい孤独感へ (セレクション社会心理学 11) / 感想・レビュー
coaf
これは傑作だ。久々に良い本に出会った。僕自身孤独に悩むことが多いのだが、孤独の正体や分類について考えたこともなかった。本書では心理学的手法を用いて孤独を4つの型に分類している。孤独という捉えどころのない感情をここまで見事に研究したことは賞賛に値する。それぞれの分析を行った動機や、研究の中での位置づけ、意味が分かりやすく説明されており、論の展開の仕方には納得させられた。人が感じる孤独感は年齢ごとにその対象が異なる。孤独感というと暗いイメージがあるが、明るい孤独感もある。明るい孤独感を目指そう。
2013/04/18
gecko
孤独感の心理学研究。青年期の孤独感は「現実に関わりあっている人と理解・共感できると考えているか」、「自己(人間)の個別性に気づいているか」という2因子から4類型に分けられるとする。各人が感じる孤独感は、情緒的な融合状態(A)→理想的な人間関係・理解者の追求(B)→人間不信(C)→心理的離乳(D)へと発達的に変化する。「誰もが頼りない自分をよるべにして生きるしかな」く、「頼りない者同士が互いに支えあいながら生きているのが人間」だと認められる状態で感じるのがD型の「明るい孤独感」だという。1999年発行。
2022/02/19
柳瀬敬二
孤独感というものはストレスと同じで、誰かと会って発散させるべきときもあれば、孤独感と向き合い、受け入れていくことが必要なときもある。一人でいるのが怖い、友人といてもどことなく寂しい、というような人は読んでみてもいいかもしれない。私は著者の学生時代の「生の意味を知るために死を保留する」という生き方に共感を覚えてしまった。
2014/05/10
さい
孤独の構造には「現実にかかわり合っている人と理解できると考えてるか否か」「人々はそれぞれ個別であることに気づいてるか否か」で4つの類型に分けられる。本書では人々はそれぞれ個別的であり、同じ人間ではない事を理解したうえで、同じ人間ではないからといって理解・共感できないと考えず、理解できる部分だけでも理解・共感する状態がよいと述べている。
2014/03/16
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