天沢退二郎詩集 (現代詩文庫)
天沢退二郎詩集 (現代詩文庫) / 感想・レビュー
misui
「眼と現在」「死刑執行官」「わが本生譚の試み」など数篇、あと自伝は今でも読める。で、詩史的な評価は北川透が詩人論にまとめてくれてはいるけど、やはりこれは若書き以外の何ものでもないなぁ。いきなりこの詩集を読まされたらきついだろう。
2010/06/03
再読。顰蹙を買いそうだが、アマタイは初期がすごくいい。俺も、むしろ物語性を強くした時期からの方が面白いと前までは思っていたが、むしろ、初期(というか『凶区』)における「書く」ことの前景化/強度化は最も早いブランショの日本への導入にしてもそうだけど、間違いなく「68年」詩人の最前線にいたんだなと思わずにはいられないキレッキレッな迫力がある。というか、この地平から現代詩はどれだけ進めたか、ちょっと心もとない。
2021/11/07
渡邊利道
思いついて読み直す。初期四冊からセレクトした青春の詩集。諧謔と残酷とセンチメンタリズムが凝った戦後史の記念碑的作品集というか戦後が終わったなあという気にさせる詩集。結局「凶区」が開いた地平から現代詩はあまり遠ざかっていないようにも思える。もっともこれらの詩を蔭で支えているエリートという感覚はいまやほぼ消えてしまったかもしれないけれど。
2017/01/31
Cell 44
「町かどを曲ったすぐ向うにときどき/神さまのいそうな気のすることがあって/行ってみると少し雲が高くなっていたりする街がいい」(「街について」より)「夏はよごれた戦争に行って/交番では葡萄を積みあげ/三時間半で男を10人つぶし/ああああ/あたしとっても寝てられない」(「わが本生譚の試み」鳥の子生まれより)
2014/07/14
sk
めくるめく運動。
2013/01/05
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