長田弘詩集 (現代詩文庫 第 1期13)
長田弘詩集 (現代詩文庫 第 1期13) / 感想・レビュー
ピンクピンクピンク
難しい。詩論自伝を読んで津野海太郎さんの作品論を読んでもう一度詩篇を読んでみたけれど掴めませんでした。何でだろと考えてみたのですが自分の読力は当然の事ながら、戦後に産まれ安保闘争時に書かれた言葉と今の言葉では力強さとか内包する物の大きさがまるで違うからかなと思います。エピキュリアントな現代だと芯に力込める気合が違うというか。言葉の強さに完敗しました。いつか再読本に追加。
2018/01/11
misui
同時代のいくつかの死を前に、青春期の死の誘惑を振り払って生の方向に歩みを進める。その意識が戦後詩の状況にも重ねられ、<荒地><列島>を後ろに見てそれらとは違った姿勢を形作る。前方の未知に向かって詩を書くこと、詩は「いつだって既知の秩序から未知の秩序への越境なのだ」。苦悩と気概に満ちた若々しい詩は詩人の出発を高らかに歌い上げる。詩の中に時折現れる海洋的なイメージ、たとえば氷山のアザラシ、船と港湾、海鳴りなどは、未知への浮標のようで美しかった。
2014/05/26
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60年代の若い抒情詩。
2019/04/29
nrk_baby
久々に長田弘。評論付きでこれはこれで面白かった。
2016/03/29
Cell 44
「森の向うの空地で/鉛を嚥みくだす惨劇がおわる/あまりに薄明な朝/一人の市民が吊るされた/絞首台/の真新しい木の香り/がかわいてゆく」(「吊るされたひとに」)私が猫好きなだけかもしれないけど、詩人論の吉行理恵「猫友達」が一番面白かったかも……。「かなしみの海」や「多島海」などに出てくる海は戦争に繋がる死や破壊のイメージを伴いつつも不思議に明るく割と好きです。
2014/07/23
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