高橋睦郎詩集 (現代詩文庫 第 1期19)
高橋睦郎詩集 (現代詩文庫 第 1期19) / 感想・レビュー
∃.狂茶党
澁澤龍彦経由で名前を知っていた人です。初期詩篇と、三つの詩集、自伝、二つの解説が収められてます。 十代の作品には、幼さがあり、ちょっと恥ずかしいような感じもありますが、それ以降、技巧も身につけ、グッと引き込まれます。 ゲイカルチャーも、カトリックも、よく知らないので、色々見落としはあるかも知れませんが、美についての言葉は、今も輝いています。 ところで、二つある解説が、いずれも的を外していると言いますか、古びているのは何故でしょう。
2021/02/02
袖崎いたる
残酷な天使のテーゼ
2024/05/29
misui
同性愛が主題の耽美な言葉の世界。決定的に欠けた自己を埋めるために己と同じものを求める、それは他者を求めながらも自己への沈潜ともいえるが、罪の意識を募らせつつ罪に酔いしれる、高踏的な妖しい世界を形作る。修辞によってほとんど肉体化された言葉で彼方に腕を伸ばし、闇の世界の輪郭を浮かび上がらせることは、ソナーで探るような認識の手段、あるいは虚無の側に立って存在と互いに歌い交わす恋唄なのだろう。
2014/06/10
かみしの
背徳、神秘、汚辱、歪曲、そういったカテゴライズによって詩人を表現するのは暴力なのだけれど、高橋睦郎の詩には、常に精液と血と死の香りが纏わりつく。少年期の本質を「残虐性」であると気付いた詩人は、同性愛という「赦されざる」ものの意識に根付かれる。「第九の欠落を含む十の詩篇」の、言語によって構成された暗渠のような市街がたまらない。ポエジーとポエムの関係を、三位一体のアナロジーとしてとらえた詩論は、読みごたえがある。「少年は樹です/頭部を切り落すと/そこから 夜があふれる/樹液がしみ出すみたいに」。他も読む。
2018/02/13
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耽美系。
2018/07/08
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