田村隆一詩集 続 (現代詩文庫 第 1期110)
田村隆一詩集 続 (現代詩文庫 第 1期110) / 感想・レビュー
misui
かつて時代精神を鋭く歌った詩人は、それを内面化しつつも主題的には退けて、個人の経験の場に夢を見出そうとする。事物への接近、より具体的なものへ。「眼に見えないものは/存在しないのだ//五感が命じるままに/ためしに歩いて行ってごらん/針の穴のように小さくなったきみの瞳孔が/きみの沈黙をまるごと受けいれてくれる/どこにもない場所なのだ」(「ある種類の瞳孔」)これは時代精神という全体性への批判でもある。また、年齢を重ねて来し方を振り返ることも多くなった。書法の面では翻訳文からの影響があるように思う。
2014/04/15
エムパンダ
高校の教科書に載っていた詩が強烈な印象で、あれをもう一度読みたいと現代詩文庫を手にとった。この続編にも求めていた詩はなかったが、今完全に田村隆一にはまっている。「緑の思想」「消えた地平線」「きみと話がしたいのだ」が好き。アメリカ滞在に触れた作もあったが、どれも硬質でモノクローム、鋭敏。エッセイもよい。お酒が好きなんですね。
2021/05/04
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『死語』『誤解』あたりの田村が一番好きな田村です。
2020/03/25
sk
どんどん生活化・脱音楽化されていく。
2010/08/03
no5uke
読みやすいが、安易ではない。そのバランスが心地よかった。
2024/07/16
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