小池昌代詩集 (現代詩文庫 第 1期174)
小池昌代詩集 (現代詩文庫 第 1期174) / 感想・レビュー
内島菫
一冊の厚みとして付き合っていくことが誘い水となり、私の中から詩と共に行きたがる言葉の群れが出てくる、そんな詩集。おおむね型通り、そしてぼんやり、言葉の上だけ関節を外され前後ろ裏返しに着た安全スーツの世界。この世界に逆らうように疑うように私の中から言葉がはみだしたがる。女性同士に感じる一定水準以上の水位。その嵩から、エロスってみんなに好かれる詩行イメージ活用的文法ではなくて?結局、詩作をするよりも詩人であろうとしているのかしら?と、嫌われないように聞いてみたい。
2017/01/26
みねたか
詩集。入り込めるか不安だったが、鷲掴みにされた感がある。声に出して読むとさらに言葉の力を感じる。いまは「永遠に来ないバス」に惹かれる作品が多い。腰骨のあたりを疼かせる官能。息苦しくなるような緊張感などなど。 時が変われば、また違う魅せられ方の予感。これは手元に置いておかねば。 なんにしろ、このような世界に導いてくれた読書先輩。ありがとうございます。
2016/03/15
こうけんどう
ある書評でこの詩人を知り、詩集を手にとってみたが、自分には難解だなぁ、というのが正直な印象。 散文は面白かったし、一部の詩(蜜柑のように、流星、やさしい認識)の良さはわかったものの、多くの作品はそれまでの流れから急に転調したり、切れ切れの言葉を置いていくような形のもので、一読しただけでは理解が追いつかなかった。時間を置いて再読してみたい。
2019/11/20
あなた
「水」「液」「水底」「波」「川」「涙」。小池の詩では液状化された記号が幾重にも変奏されてたちあらわれては流れていく。書物は流れてこそ、といったのはロラン・バルトだ。ならば、詩も流れないわけにはいかないだろう。流れるものを飲みくだすようにバルトは空を、庭を、朝を飲むと書きしるす。わたしも小池の詩を飲めるように、飲(おも)う
2010/07/22
貴羽るき
言葉がやわらかく押し寄せてくるかんじ。「きょう、ゆびわを」がとくに好きです
2017/09/27
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