伊藤比呂美詩集 続 (現代詩文庫 第 191)
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伊藤比呂美詩集 続 (現代詩文庫 第 191) / 感想・レビュー
みねたか@
90年代以降の詩。言葉に対して挑みかかるような「意味の虐待」や「チトー」。 声に出してみると脳内を挑発されているよう。 『わたしは意味を剥がしとりたい/ あなたは意味を剥がしとりたい』 『言語をうしないたい/ 器官たちも息も声も失いたい』 散文詩「夢みることをやめない」では、夢を語り続けるタクシードライバーと彼を追いかける偏執的な詩人を描く。突然の淫靡さ暴力性、無防備な相手にいきなり襲いかかるように読み手をゆさぶってくる作品が多い。すごい。
2018/03/16
くさてる
これまでの作品集からセレクトされた、詩と散文で構成されている。抜き出されたものとはいえ、彼女の世界に浸るには十分。もちろん、オリジナルに価値があることは言うまでもないけれど、エッセイでしか彼女を知らない人に、まず詩の彼女を知るきっかけとして読んでもらいたいと思う。詩の力、とりわけ巫女的な神憑りささえ感じる女性の力が伝わってくる作品は好き嫌いが分かれるだろう、しかし、それだけの鋭さを持ちえないものが、果たして詩といえるだろうか。すさまじいまでの、言葉の力が息づいている世界だった。
2011/09/30
KUAD
流し読み。「わたしはあんじゅひめ子である」は面白い。
2012/01/23
佐々木雅弥
言葉で人は殺せるのだと思った。痺れたので続刊を求めた。全盛期の伊藤比呂美はまるでノイジシャンのようだ。
Reidemeister_Roseman
ブルース・ナウマンに興味があるため、「意味の虐待」に興味を持った。言語についてかなり理論的にとらえているようなフレーズが散見され、それ自体は個人的には好感を感じたが、時折あまりに直接的に関心を出しすぎているように思える部分もあった。おそらく好きな類いの本ではあるが、本当に好きなのかと問い詰められると自信が無くなるかもしれない。
2023/07/29
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