胴乱詩篇
胴乱詩篇 / 感想・レビュー
渡邊利道
現代詩手帖連載。土地・芝居・迷路・建物といったいつものモチーフをタイトルのイメージが強い短編小説的な散文詩と歌もの風の行分け詩で構成する定番になった感のある詩集。安定感があるが安定していていいものかという気もしないではない。これらの詩が書かれているときに関西の震災があったはずだがまったく痕跡も発見できない。
2017/02/04
misui
「「ウィザード」というビールを買ってくるようにと妻にたのまれてとにかく私は夜の街へとび出した。」「会場はただうす暗く、その中を紅い門構えのかたちしたばけものどもが、横走りしては踊り狂っていたのである。」(「ウィザード」)
2014/07/09
misui
おお、本の体裁が『欄外紀行』と同じだ。なんか意味があるのかな。中身のほうはある種の幽玄さは薄れたがユーモアが前に出てより混沌としてきた。バラエティ豊かで楽しい。「(これは何か?/人の夢に似たかたちを/かつて取っていたものの/塊の/なれの果て/腐れたるトマト/至るところ孔だらけの/死せる太陽の迷宮)」
2010/05/18
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