子午線を求めて
子午線を求めて / 感想・レビュー
踊る猫
堀江敏幸という書き手、なかなか強かなところがある。得意分野のフランス文学について書かれた筆は冴えているが、取り分けノワールに執拗な興味を寄せているように感じられたのだった。ジャン・ヴォートランに関する文章がそのままセリーヌの毒のある文章/世界と接続され、両者が比べられる読みの快楽。批評家や研究者には出来ないアマチュアの読者の自由さ、野蛮にして知的な態度が表れている。もっとこうした読みの快楽を追及した文章に触れたく思った。一本調子と言えば言えるその起伏のなさも、慣れて来ればさほど気にすることなく読めて楽しい
2019/10/16
shouyi.
筆者曰く、フランス文学論集ではないということなのですか、中盤からセリーヌをはじめフランス小説の書評中心の文章が延々と続く。浮浪者に紙巻きたばこの紙を巻いてやる文章が印象的。でも、後半は辛かった。
2019/02/18
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