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討議詩の現在

討議詩の現在

討議詩の現在

作家
城戸朱理
野村 喜和夫
出版社
思潮社
発売日
2005-11-01
ISBN
9784783716273
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討議詩の現在 / 感想・レビュー

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かふ

「現代詩手帖」に連載された「討議 戦後詩」から「現代詩の現在」について、野村喜和夫(1951年生まれ)と城戸朱理(1959年生まれ)が中心となってそれぞれのテーマを元にゲストを招いて詩(詩人)の変化を見ていく。野村喜和夫は全共闘世代であり、城戸はその熱狂が終わったシラケ世代。戦後詩が荒地派から鮎川信夫を中心として喪失とアメリカ民主主義の享受として吉本隆明の言うよにサブ・カルチャー化していく中で現代詩は絶えず自己否定のコトバを持っていたと思う。そこに小説家の大衆や歌人の自己肯定のあり方など面白く読めた。

2024/10/14

NASUCUBE

『詩の現在』。新しくもない他分野の進展をもとに詩人や作品の解釈をしている。そこに詩が投げるものがない。他分野の助けを借りて、その曖昧な文章をこう読めるとか、思想家のだれそれのこの概念に近づけられる、と弁護するだけで、詩自体が思想なり視点の基点になるということがない。 詩人が何を記述”しようとしたか”の”推理”が全く具体性も抽象性もなく喧伝される。掲載された作品からどうそれが読み取れるのか一切書かれない。極端な例えばの話、対話者の議論ととりあげている作品の結びつきを総シャッフルしたところで何も不都合がない。

2015/01/24

城戸「谷川さんが作った校歌というのがあるんだけれど、これが傑作でね。ふつう学校の校歌って固有名詞を連呼するでしょう。(中略)谷川さんのは、そういうのが何もないのね。ケンカをしても友だちだ、みたいな。その意味では、日本が土地ごとの固有性を失って全体の均一化を生んでいく、戦後の資本主義と連動する民主主義の社会のなかで立ち上がった詩人だというのを痛感します。」(254頁) 私の通った学校の校歌も作詞が谷川俊太郎でした。

2020/01/15

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