「妹」の運命: 萌える近代文学者たち
「妹」の運命: 萌える近代文学者たち / 感想・レビュー
ルートビッチ先輩
水野葉舟から話ははじまる。その「妹に送る手紙」は啓蒙対象として「妹」を設定しているが、これは近代の書く男性が空想を注ぎ込み理想を作ろうとする入れ物の一つであった。そのときに「言文一致」が近代のスタイルとして教え込まれる。しかし、そのとき女性が本当に内面を獲得し「妹」からの逸脱をはじめると、男性は逃走する。これが婦人解放論でもある「妹の力」が女性の目に内面を見出そうとしながら、結局は古代の巫女、役割に従属させられる女性に関する語りを行うことと重ね合わされる。そして本書をナイーブに読んだ時突然の感がある
2014/11/17
長老みさわ/dutch
近代文学(自然主義文学)に設定された「妹」。 言文一致体によって「自我」のテンプレートを与えられた近代の女性像。 しかしそれはあくまでも作家の都合によって与えられた人格で、本来の自我を持とうとすると作家によって言葉を取り上げられたり、狂気に陥れたりさせられる。 水野葉舟、田山花袋、盟友の柳田國男、「蒲団」のヒロインのモデルとされる永代美知代、その夫の永代静雄等の著作を手がかりに近代文学の「萌え」を読み解こうとする文学評論。 読んでる時は面白く読んでいたけれど、多分6割も理解できていない。でも面白かった!
2011/06/25
miruna
耳が痛い説教本だけれど耳が痛いと思えるうちはまだマシなのかなーって。鍵ゲーは文学みたいな態度のクソどもはこれを読んで耳が痛いと思うかしらというと多分思わないんだろうなあ。
2011/02/24
MoNaKa
妹萌えの原点を明治時代の妹の啓蒙というところに置くというのは強引な気がしたけど、少なくとも田山花袋他、近代文学作品を読み直してみたくなる一冊。
2011/12/05
岬
タイトルに驚いて手に取った一冊。 うん、妹。それからフェミニズム。 でも得意ではないかなというのが正直なところ。
2016/04/26
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