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ジャンキ- (Serie fantastique)

ジャンキ- (Serie fantastique)

ジャンキ- (Serie fantastique)

作家
ウィリアム・バロウズ
鮎川信夫
出版社
思潮社
発売日
1980-10-01
ISBN
9784783727163
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ジャンキ- (Serie fantastique) / 感想・レビュー

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権現

自らも麻薬の世界に身を置いていたバロウズによる半自伝。生死の境目たる灰色のライン上をふらふらしながら快楽だけを貪り続けるジャンキー達の世界がこれ以上ないほど細かく描かれた物語。日々何をするでもなく昼間から薬物の注射を打ち、麻薬を買う金がなくなればスリや詐欺に走り、それも無理となれば平気で借金やツケを重ねる始末。20世紀前半に存在したアメリカ社会の底辺を垣間見ることができる。とはいえ冷徹なまでにドライな文体ゆえか、必要以上に不愉快な場面というのはなく、むしろ淡々と描かれたダーティな「日常系」の趣。

2014/10/30

mejiro

麻薬常用者に抱くイメージと違い、状況を冷静に洞察した記録のような小説だった。気がつくと地獄にいた、という感じで、常用者の生態や禁断症状の苦痛をハードボイルド調の文体で描いている。破滅の前例が山のようにあるのに麻薬に手を出す心理、肉体からの解放を求めて結局さらに束縛される矛盾など、複雑さを感じる。第12章後半が本心を語ってるようで印象に残った。

2014/08/03

eirianda

自分は一社会人として、もしくは小市民的臆病により、ここまで身を貶める経験ができるわけでもなく、しかし麻薬とは一体どんな感覚なのだろうと思っている。ほぼルポタージュのような、麻薬の落とし穴に嵌ってしまった男の物語。ふいにくる薬切れと何度も試みる薬断ちの感覚は、ビニール袋を頭から被ったような激しい二日酔いと、夜も眠れないピリピリ神経痛と、蚤に全身襲撃された掻きようのない痒みと、MRIの造影剤が体の内に走った熱感を思い起こした。肺がチクチクする……その感覚は判らない。それでもまたつい手を出す中毒の恐ろしさ。

2014/04/07

コキア

子供の頃から幻覚を見やすく「骨の髄まで麻薬患者」と精神分析されたバロウズ氏の今となっては貴重な最初の小説。 全ての快楽は安堵感、 バロウズと言えば、窓辺で阿片をくゆらすシーンが印象的なのだけどあれは何の映画だったかな

2020/08/26

チバ

とても自分には真似できない。

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