Z境 (新しい詩人 12)
Z境 (新しい詩人 12) / 感想・レビュー
Roy
★★★★★ アンドロイドが、降りしきる酸性雨を眺めているような詩集だ。己の感情が生じず、ただ情景の認識のみをくり返し、クリカエシ、受け入れる。アンドロイドの目が捉えたものは、ニンゲン達の前で「Z境」するニンゲンだった。ニンゲンは、さも正しいかのように言葉の雨を降らす。酸性雨なのに。周りのニンゲン達は恵みの雨だと勘違いしている。酸性雨なのに。アンドロイドは何もしない。タダ見テルダケ。
2009/06/11
endormeuse
造語的なルビ表現や主体拡散の感覚にサイバーパンクからの濃密な影響を感じさせる、超かっこいい詩集。ほぼ同時期に刊行された伊藤計劃の『ハーモニー』で語られた白い終末観とでも呼ぶべきクールネスとの並行関係も極めて興味深い。 つねに/私たちをやんわりとしめつける/この惨劇は――――/幸福と、等価なのだろう
2020/09/13
みーこ
「独白」が好きだった。
2024/03/23
保山ひャン
ラジオやテレビで社会学者としての著者を知っていたが、詩集を読むのはこれがはじめて。サブカルSFに近いのが、とても意外だった。
2015/04/14
Cell 44
「そ-びえ立つ 普遍詩・0/正午(マヒル)の増殖 極相群落(クライマックス・コミュニティ)の形相/ソウココデハイッサイガ観光旅行ニナル/ココニイルノハミナ導体(コンダクター)・ナイシハ・往復運動装置(トラベラー)・ナノダカラ/ゲンザイノ彫器(ビュラン)と/アルカイック発電機(ジェネレーター)が/交差するーー贖罪の日(ヨム・キプル)に」(「垂直荒野」)
2014/07/11
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