樹のうえで猫がみている
樹のうえで猫がみている / 感想・レビュー
ぐうぐう
『性悪猫』は、猫の目線ゆえに人の日常が詩情となって救われていく様が描かれていた。彼女の唯一の詩画集である本書を読み終えると、その猫の視線が、やまだ紫のものであったことに改めて気付かされる。『シャツの重さ』と題された作品。「真白な木綿の肌着が丸まってある (こんなところで脱いで——)とつまんだら自分のだった つまみあげた肌着の重さで持主がわかる わたしはもう 家の中で一番小さくなってしまった 肌着まで エレベーターの中で娘が「ママ小さい……」と言った わたしを見下している その哀しい嬉しさ」(つづく)
2020/04/29
柊子
「通販生活」で初めて読んだやまだ紫さん。猫のイラストが可愛い。「つまみ上げた肌着の重さで持ち主がわかる。わたしはもう家の中で一番小さくなってしまった(シャツの重さ)」これはとてもよく判る。子供の成長と自分の老い(苦笑
2017/01/17
mer
繊細な目をしているんだなと思った。見ないようにしている物事をあえてじっと見つめて静かに傷ついているような詩が多いように感じた。
2021/01/29
雛
「しんきらり」のやまだ紫さん、亡くなっていたのか。 詩と絵からなるこの本もとても彼女らしい作品だ。 猫。子ども。男。小さな不幸せ。 長生きしてもっと色々な言葉を紡ぎだしてほしかった、残念だ。
2015/03/24
yumiha
日常の中にひそむ違和感や発見などを書いた詩集。添えられた絵が、さすが漫画家だけあって、確かな線で猫を描く。
2013/11/15
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