コルカタ
コルカタ / 感想・レビュー
みねたか@
「今まで持っていた何かを失い,代わりに何かを得た。何が変わったのかわからないが,確実に自分の一部分が変わった。」そんなコルカタへの旅から生まれた詩集。人の熱,息遣い,視線,ネズミに乗る巨象の神,夫を踏みつける怒りの女神,清濁を併せのむ濁った河。熱気と静寂,混とんと調和,光と闇。皮膚感覚のように伝わってくる何か。そして,もう一つ瞠目するのは,この詩集誕生の背景。渋谷の書店で開催したフェアにあわせ,1か月間,毎日,その日書いた詩を書店に掲示したという。人が詩を書くという営みの不思議さ。
2018/09/26
tom
小池さんの書く小説や詩は、私にとっては、好みの範疇に属してます。この詩集は、インドのコルタカというところに行き、帰国してから、書店で毎日体験詩を書くというイベントで作成した詩を集めたものらしい。でも、この詩集は、彼女がこれまでに書いてきた詩とはちょっと違う感じがする。よく分からないけれど、言葉の質が違っているような。残念ながら、読んでいて、言葉のなかに入っていけない。残念本の一冊で終わってしまった。
2015/10/17
花きちがい
詩は分からない。現代詩はもっと分からない。この人の詩は読んだこともない。そんな状態で友人から一度借り、その時はふむと思って返したが、頭のどこかにずっと引っかかっていた。その後この詩人の朗読を聴く機会があってから、この詩集が以前より馴染む体になったのを感じていた。コルカタの熱気、匂い、密度、汚さ、乾いた感じと湿った感じ、それらが畳み掛けるように繰り返される言葉、というよりは音によって生々しさそのものとでも言えそうにあらわになる。
2011/09/18
savasava
詩とは、うまく言えないことを的確に言葉で表すことだと思っていたが、もっと時間軸や対象が揺らいでもいいのだ、境界線はあってなきがごとしでも成立するのだと、教えてもらったよう。
2014/09/02
chora
そうそう、インドを詩にしたらそういう感じ。あのねっとりとした空気、儚さを思わずにはいられないコルカタの生活をありありと思い出しました。
2012/10/28
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