正岡子規/高浜虚子 (新学社近代浪漫派文庫 7)
正岡子規/高浜虚子 (新学社近代浪漫派文庫 7) / 感想・レビュー
ダイキ
大学図書館。正岡子規の『歌よみに与ふる書』は、「和歌」を志す人々からは大変悪名高いものであり、特に気になっていた一篇なのですが、確かにこれは憤激ものですね。ただ、保田與重郎や小林秀雄、山川弘至などがいう様に、明治という新時代にあって、『万葉集』を以て「外国の髯づらどもの大砲」にびくともせぬ日本文学の「城壁」を築こうとし、事実築き上げた子規の英雄性はやはり評価せねばならないのでしょう。思うに子規は、『古事記』を復活させるために『日本書紀』を貶めねばならなかった、本居宣長に倣ったのではないでしょうか。
2016/05/26
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