佐藤春夫 (新学社近代浪漫派文庫 27)
佐藤春夫 (新学社近代浪漫派文庫 27) / 感想・レビュー
ぴぴちゃん
「のんしゃらん記録」「F・O・U」を目当てに。やはり期待を裏切らない、好みドンピシャの変なお話です。のんしゃらんはSFのディストピア小説で、FOUの主人公はかわいい狂人。この二つだけでも読む価値あります。 「別れざる妻に与ふる書」もよかったし、好きな「西班牙犬の家」も収録。私得な一冊だった。
2017/11/18
ダイキ
「佐藤春夫氏の晩年の「シヤガール展を見る」といふ作品を見た時、神仙でも、狐狸でもない、もう一つ別の世界がはつきりとうけとれた。それは浄土他界と現世とに、けぢめのないやうな世界といふことであらうか。他界そのものの厳然としたリアリズムといふことにもなる。〈略〉このシヤガール展の作品前後の数篇には、以前は多少思想的に説く気構へもあつたやうな点が、全く自然に流露して世俗の証のないところで、動かし得ない世界を描き出してゐることに、私は深く感銘した。」〈日本の文学史/保田與重郎〉
2016/12/19
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